──2025年の振り返りを。
多くの国内企業が「人とAIが共創する新しい働き方」「高度な顧客体験の再設計」に関心を寄せるようになり、AIエージェントは企業変革の中心に位置付けられるようになった。当社ではAIエージェント基盤「Agentforce 360」の展開を本格化させ、人とAIエージェントの協働を信頼性高く実現する支援を進めた。
小出伸一 代表取締役会長兼社長
25年を通じて大きな学びとなったのは「検証と調整」の重要性だ。AIエージェントは導入して終わりではなく、業務やユーザーに合わせて継続的に調整しなければ価値を最大化できず、このための知見を国内でも共有することに力を入れた。
──AIエ-ジェント関連のビジネスで具体的な成果は出たか。
導入企業は多様な業種に広がっている。LINEヤフーではカスタマーサポート業務で採用し、8割以上の問い合わせについて、AIが一次対応する仕組みを構築した。AIエージェントによる現場力強化の有効性が実証できた事例として大きな手応えを感じている。
パートナー各社との協業も活発化し、マーケットプレイス「AgentExchange」を通じたエコシステムの拡大も進んだ。
現場に根付いたAIエージェントを
──26年の販売戦略は。
ワークフローに統合され、現場に根付いたAIエージェントを顧客と設計することで、導入や適用領域の拡大を加速させたい。また、導入効果を定量的に可視化する仕組みを整え、顧客のROI向上も支援する。
国内企業のデータ活用の成熟度やAI運用に関する知見、ガバナンスの確立などは依然として課題だ。克服を後押しするために、ベストプラクティスの共有や学習制度の整備といった取り組みをさらに推進する。当社がより信頼できるパートナーとなれるように、エコシステム全体として顧客を支援する体制を構築する。
パートナー戦略の観点では25年にはAgentExchangeのほか、Agentforceとデータ基盤「Data 360」を活用した独自のソリューションの構築、パッケージ化ができる「Agentforce for ISV」といった施策を用意した。これらを生かしてパートナーとの協業をさらに深化させ、業界特化型ソリューションの拡充など、国内市場におけるAIエージェントによる価値創出を加速する。
──26年の抱負を。
Agentforce 360を中核に据え、日本社会が直面する人手不足や生産性改善、業務効率化といった課題解決に取り組む。加えて、企業が求める顧客体験の高度化にも対応し、人が創造性や判断力を発揮できる環境を提供する。25年にAIエージェントを導入いただいた先進企業との戦略的協業などにも取り組みたい。当社のコアバリューである「信頼」を軸に、人とAIが協働する新しい企業のあり方を支え、顧客の変革と成長を後押しする。