セールスフォース・ジャパンは7月28日、AIエージェント基盤の最新版「Agentforce 3」の国内提供を発表した。AIエージェントのパフォーマンスを可視化する「Command Center」を搭載し、監視機能を強化した。業界向けのAIエージェントのテンプレートも用意し、具体的なユースケースを示すことで迅速な価値創出を後押しする。
Command CenterはAIエージェントの開発基盤「Agentforce Studio」で提供する機能。AIエージェントが対応した問い合わせの自己解決率や商談化の成功率といった指標を設定し、ダッシュボードで可視化する。Agentforce Studioで提供する実装前にテストを実行・評価する「テストセンター」と連携し、AIエージェントの設定・構築、テスト、監視まで一貫して支援可能になった。
Agentforceのログデータを蓄積するデータ基盤「Data Cloud」にも新機能を追加。ログデータ管理のオープン規格「OpenTelemetry」に対応し、米Splunk(スプランク)の統合ログ管理製品などでAIエージェントの監視が容易になる。
AIエージェントの業界向けビジネスの推進にも力を入れる。金融や自動車業界などに提供する業界特化製品に対して、200以上のAIエージェントのテンプレートを提供する。また、AIエージェントのモデルプロバイダーに米Anthropic(アンソロピック)が加わった。同社がホスティングする基盤上で稼働するため、AIエージェントとの通信を保護されたネットワーク内に閉じることが可能で、コンプライアンスの要件が厳しい業界への導入を見込む。
三戸 篤 専務
専務の三戸篤・製品統括本部統括本部長は「AIエージェントの業務の品質はどれほど維持できているか、導入したことでどのような効果を生んでいるか確認したいという、既存ユーザーの声を受けて開発した」と述べた。
(大畑直悠)