──2025年のビジネス環境をどうみているか。
SaaS業界が成熟していく中で、各サービスの拡販はそれなりにうまくいったと感じている。一方、普及率が高まり、競争は激化傾向にある。新規参入が厳しくなり、既存プレイヤーが争う段階になりつつある。
中村崇則 代表取締役
AI機能については、お客様が便益を感じ、費用を負担してもいいと感じるレベルに向かう途上であり、さらなる精度の向上が重要になってくる。
──25年はSaaS企業のプラスアルファ・コンサルティング(PAC)との資本業務提携に基づく製品の展開を発表した。
PACとの提携のような試みは、より積極的に取り組みたい。SaaS市場への新規参入が難しくなっている中で、既存のSaaS企業がほかのSaaS企業と協力し、他社サービスを自社で売る動きは(ラクス以外でも)増えていくのではないか。
──提携の強化で言うと、27年3月期からの中期経営計画では、キャピタルアロケーションにおいて、M&Aを優先する方針を示している。
企業全体をM&Aで取得するのではなく、一部を持つことで、協業を進め、業界をより成長させたい。つながりを深めていけば、その先に実際に統合するといった話が出た場合でも、スムーズに運べる。そういった意味でも、縁を結ぶことを重視したい。
──ほかに次期中期経営計画で取り組みたいことは。
人員の増強ではなく、より少ない人員で多くのことを実現する方向にシフトしなければならない。結果として、良いサービスをよりローコストで提供する方向になる。一定の人数でどれだけ効率的にお客様にサービスを提供していくかがより重要であり、AIなどを使って効率化を図りたい。
パートナーと地方を開拓
──地方市場での展開はどう考えるか。
パートナーとご一緒しながら、地方の開拓を進めたい。地方のほうがDXは進んでおらず、しっかり取り組む必要がある。例えば、勤怠管理でパンチカードを使う会社もまだまだ少なくない。そこは変えなくてはならない部分だ。また、以前にSaaSを導入したが、結局アナログの運用に戻してしまうお客様もおり、オンボーディングの支援は欠かせない。地方拠点も拡充している。現地でクイックに対応したいとの思いに加え、現地の人間関係、コミュニティーにしっかりと入り込むことが大切だと考えている。
──26年の抱負を聞く。
30年に向けて労働人口の減少がより顕在化していく時期に近づくので、さまざまな施策のスピードを上げる必要がある。PACとの提携のような、アライアンスの動きを推し進めなればならない。地方のパートナーとの関係強化も重要な課題だ。