「省コスト」「省エネ」「省スペース」を訴求
GELJETテクノロジーを採用した初のA4複合機を投入

■新たな市場を開拓するハイブリッド複合機

　インクジェット方式とレーザー方式の優れた技術を兼ね備えている「GELJETテクノロジー」を有するリコー。ビジネス仕様の高速・高画質印刷に加え、低ランニングコストやスペースメリットを訴求し、ビジネスカラープリンターの裾野を拡大。マーケットからも注目を集めている。「ジェルジェットプリンターを投入したのは2004年2月ですが、当初から“仕事用”ということを強く訴求してきました。そのため、ビジネスで求められる高耐久性はもちろん、“GXシリーズ”からはリコーならではの安心のオンサイト保守にも対応しており、たいへんご好評をいただいています」とは、販売事業本部・GJ販売事業部・事業推進室の平川俊寿室長の弁。

　さらにリコーは、「GELJETテクノロジー」を採用したA4ビジネスカラー複合機の「IPSiO GX 3000SF／IPSiO GX 3000S」を07年8月に市場投入した。上位機の「IPSiO GX 3000SF」は、コピー、プリンター、スキャナー、ファクス機能のほか、自動両面原稿送り装置を標準で搭載し、標準価格10万8000円（消費税別）。通常の1年間の無償保証に加え、2年間のオンサイト保守が付いた「安心3年モデル」(14万8000円：消費税別)も提供されている。「お客様やパートナー様より、業務での使用に耐えうる“複合機”のご要望が大きくなったため、今回の投入となりました。さまざまな業務にストレスなく対応できる、インクジェット方式とレーザー方式の良さを兼ね備えた『ハイブリッド複合機』として、新たな市場を開拓していきたいと思っています。お客様のさまざまなご使用環境の中では、スペースが限られているにもかかわらず、スキャナーやファクス、プリンターなどをそれぞれ単体でご利用になっているケースも多いと思います。ハイブリッド複合機であれば、業務の生産性を上げながら、 “省スペース”で利用できるという点を強く訴求していきたいと思います」（平川室長）とのことだ。

■モノクロレーザーより安いリコー独自のレベルカラー印刷

　さらに「IPSiO GX 3000SF／IPSiO GX 3000S」は、リコー独自の「レベルカラー印刷」により、モノクロレーザープリンターでモノクロプリントをした場合よりも大幅な“省コスト”でのカラープリントを実現し、これを最大の訴求ポイントとしている。また、最大消費電力60W以下を達成し、一般的なカラーレーザー複合機と比べておよそ1/20以下という“省エネ”設計になっている。「当社では“省スペース”“省コスト”“省エネ”という3つの“省”で訴求しています。“カラーでプリントコストを削減”という、これまでの常識を打ち破るような新たな提案を行っているほか、使用電力が限られていてレーザー方式の複合機がご使用できないお客様や、家庭用のインクジェット複合機を“仕事用”に使用されていたお客様などに対して、幅広くご提案しています。『ハイブリッド複合機』の投入により、一般のオフィスや学校などはもちろん、流通や小売りといった多店舗展開しているお客様や窓口業務など、これまでジェルジェットプリンターで開拓してきたこの市場をさらに拡大していきます」（平川室長）。

　同社では、A4ジェルジェットプリンター「IPSiO GX 2500」、A3ノビに対応したA3ジェルジェットプリンター「IPSiO GX 7000」を市場に投入。ラインアップを拡充し、「GELJET」市場を一気に広げる構えだ。

■付加価値を提供し、パートナー連携を強化

　さらにリコーは、パートナー企業との協業も強化している。システムとの連携を深めるため、不正コピーガードなどのセキュリティ機能やスキャン to E-Mail機能も搭載。新たなソリューションを創出するうえで、パートナー企業からの支持も獲得している。「パートナー様とともに新たなソリューションを提案していくためには、セキュリティ対策などは必須となります。付加価値を提供することで、新しい市場も開拓できると思います」（平川室長）とのことだ。市場での認知も獲得し、新たな局面に入った「GELJET」。さらなる伸長を目指す同社の展開に期待したい。

リコー＝http://www.ricoh.co.jp/

（週刊BCN　2007年9月24日号掲載）