プリンティング事業を強化する日本ヒューレット・パッカード
製品ラインアップを拡充し、新規市場を開拓

■幅広い製品ラインアップで提案力を強化

　業種・業態を問わず、ビジネスを遂行する上でプリンタを活用しない企業はほとんどないだろう。特に日本の商習慣では、帳票など「紙」を利用したワークフローが確立しているため、プリンタは必要不可欠な機器となっている。印刷物は、社内資料や取引先へのプレゼンテーション資料などでも頻繁に使われている。

　これまでビジネス市場では、モノクロ・カラーの差はあるが、低価格レーザープリンタを導入するケースが多かった。これは、印刷速度や高精度の印字、利便性、コストなど総合的に評価されていたためだ。

　しかし印刷枚数の多い企業では、数台のページプリンタだけでは「印刷が間に合わない」「印刷待ちなどで業務効率の低下をまねく」といった課題が表面化している。業務効率を向上させるプリンタが、逆に業務効率の低下を招いているのだ。

　これらの課題は、中央のプリンタに印刷が集中したときに起こる。この課題を解決するため、サブプリンタとして、インクジェットプリンタの導入が検討され始めている。

　しかし、家庭用インクジェットプリンタをビジネス用途で使用すると、速度やコスト、耐久性の面で十分ではない。こうした背景から、現在、ビジネスインクジェットプリンタ市場が形成されつつある。

　日本ヒューレット・パッカードでは、ビジネス向けインクジェットプリンタの選択肢を広げるため、インクジェット技術を採用したビジネス複合機「HP Officejet」シリーズを提供した。さらに2007年4月には、あらゆる企業のニーズに応えるべく、3機種を一挙にリリース。ビジネスユースに焦点を当てたインクジェットプリンタのラインアップの拡充を進めている。現在の同社のラインアップは、エントリーモデル「HP Officejet J5780」（HP Directplus価格：税込み1万7850円）からハイエンドモデル「HP Officejet Pro L7580」（HP Directplus価格：税込み3万4860円）とフルラインを揃え、高速印刷や高耐久性を訴求し、市場の拡大を狙っている。

■ページプリンタをしのぐ印刷速度とコスト

　また、同社の製品はオフィスでの活用はもちろん、基幹システムとの連携に活用されるなど、これまでモノクロページプリンタが利用されてきた市場にも、徐々に浸透しつつある。

　その理由は、印刷速度とコストにある。例えば「HP Officejet J5780」の場合、1分当たりモノクロ30枚、カラー24枚、「HP Officejet Pro L7580」では1分当たりモノクロ35枚、カラー34枚の印刷を実現している。これは、日本ヒューレット・パッカード独自の超高速度ワイドヘッドを採用しているためで、ページプリンタをしのぐ高速印刷を実現した。オフィスの大量印刷時でもスムーズに高速出力する。さらに大量給紙による用紙補給の手間を軽減するなど、ユーザビリティの面でも高い評価を獲得している。また、導入しやすい価格帯を設定してあるため、同社の調査でも96%を超える顧客が満足だと答えている。

　同社では、ビジネス向けのインクジェットという市場を拡販する狙いで、多くのキャンペーンで、ユーザーへの訴求を強めている。4月の新製品発表時には「『新製品発売記念 今だけ！黒インクプレゼント』キャンペーン」として、期間限定で対象商品購入者に「HP88インクカートリッジ 黒」を無償でプレゼントしたり、07年7月9日から台数限定で『インクジェット11年連続世界No1*ありがとうキャンペーン』を行っている。これは、「HP Officejet 7410」「HP Officejet 7210」の限定500台をキャンペーン特別価格で提供するもの。

　ビジネス向けインクジェット市場のパイオニアを目指す同社の展開は、プリンタ業界からも注目されている。

*1996-2006年世界インクジェット出荷台数・金額 出典:IDC Worldwide Quarterly HCP Tracker Q406

日本ヒューレット・パッカード＝http://www.hp.com/jp/biz-printer/

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