運用にあったソリューションと組み合わせた提案が効果的
顧客企業のメリットを明確にする「提案力」がカギ

　07年の市場をみると、モノクロプリンタが好調だった。その理由として、システムインテグレーターの販売が顕著だったことが考えられる。カラープリンタは伸び悩んだが、MFPとの最適配置といった提案や、カラーが必須という業種・業態向けの製品は好調だった。このことからもわかるように、単なる製品提案ではなく、ソリューションとの組み合わせなどにより、企業が受ける利益を明確にすることが導入のカギとなりそうだ。

■提案力が明暗を分ける

　オフィスのカラー化は、第１部の座談会で重要なテーマとなっていた。現在、薬袋や薬事情報印刷、流通系などの業務現場では、カラープリンタの導入が進んでいるが、一般オフィスのカラー化については伸び悩んでいるようだ。

　その理由のひとつとして、MFPのカラー化が進んでいるという現状がある。一般オフィスでのカラー印刷は、MFPで行われているケースが増えているようだ。この現状を分析し、MFPとの最適配置を提案し、市場を広げているベンダーもある。MFPの営業部隊の営業力を生かし、シナジー効果を高めることで、市場を開拓している好例といえるだろう。

　実際、プリンタベンダーに話を聞いてみると、コンサルティングを含めた提案が実を結んでいる例が多いことに気づく。ユーザーは、プリンタが欲しいのではなく、プリンタを含めたソリューションを求めているのだ。システムインテグレーターと協業し、好調に推移しているベンダーもある。

　確かにプリンタは、メーカーや機種ごとの差別化が難しい。たとえハイスペック商品であっても、それによって企業がどのような恩恵を受けるのかといったことを明確にできない限り、実際の導入にはつながらないようだ。

■SMB市場も活性化

　一方、SMB市場に着目し、カラー化を進めるベンダーもある。SMB市場は、設置環境性の高さが求められるという特徴がある。少ない設置スペースでも問題なく設置でき、駆動時の騒音などが少ない機種でないと、選択肢に入らないようだ。かつてA3対応でないと選択肢に入らない時代もあったが、SMB市場の場合はサイズが重視されるので、A4を主軸にしていても十分戦えるということがわかった。

　しかし、最も重要視される課題は、やはりランニングコストだ。トナー代や紙代はもちろん、消費電力の低減を求める声も高い。

　この課題を解決するため、各ベンダーはコストパフォーマンスの高い製品の開発に注力している。また、何枚印刷されたのか、それにかかったコストなど、印刷に関わる全工程を簡単に監査できるソリューションも登場し、ランニングコストの低減に一役買っているようだ。

　さらに、プリンタは情報の出口ということもあり、セキュリティといった観点でも注目されている。今後は、ソリューション提案や運用コストなどの課題に加え、セキュリティ機能についてもなんらかの回答を求められるようになるだろう。

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