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<Sky特集> ~「SKYSEA Client View」開発の背景~ セキュリティ認証規格取得の経験を生かし、「使いやすさ」をコンセプトに

2008/04/01 19:56

週刊BCN 2008年03月31日vol.1229掲載

クライアント運用管理ソフトウェア

「SKYSEA Client View Ver.3」が
注目されている理由を探る


 個人情報保護法、日本版SOX法などがメディアをにぎわせており、情報セキュリティ市場が活性化している。そのような中、Skyが提供している「SKYSEA Client View Ver.3(スカイシークライアントビュー)」が急成長を遂げている。本製品は、「使いやすさ」にフォーカスをあてたクライアント運用管理ソフトウェア。ログ管理、資産管理、端末機制限・制御、注意表示(アラート)など、情報セキュリティ対策に必要な機能を標準で搭載している。
 二〇〇七年十二月にリリースされたばかりだが、すでに多くのユーザーと販売パートナーを獲得している。注目されている理由を探った。


社内導入で十分に活用できなかった情報セキュリティ対策製品

 Skyは、情報家電、カーエレクトロニクス、携帯電話、デジタル複合機、そして教育支援システムなど幅広い分野でシステム開発を行っている。業務上、取引先の機密情報を多く扱っており、「情報」に対する意識は非常に高い。同社にとって、非常に重要な「情報」を適切に管理し取り扱うことは、最重要項目でもある。

 Skyは、第三者認証機関である「BS7799-2」、「ISMS認証基準(Ver.2.0)」(現在のISO27001)、「プライバシーマーク」のほか、品質に対して「CMMIレベル3」、「ISO9001」、「ISO/IEC20000」などを取得し、顧客に対して「安心」を提供している。同社はその中で、各種情報セキュリティ対策製品を導入してきたが、既存の情報セキュリティソリューションは、使いこなすために相当のスキルを要求するうえ、運用にかかる工数や労力も非常に大きいことがわかった。そのため、結果として、使いづらく十分に活用できなかったのだという。

 この経験から情報セキュリティソフトウェアには、何よりも「使いやすさ」が必要だということを実感したという。この体験と「BS7799-2」、「ISO27001」、「プライバシーマーク」などの定期的な監査による経験を生かし、実際に同社内で運用し、開発されたのが「SKYSEA Client View」である。セキュリティベンダーは、セキュリティソリューションを提供しているものの、これらの認証を取得していないところもある。機能が豊富でも、使いにくく活用されなければ何の意味もない。必要な機能がきちんと使えてこそ、ユーザーの求めていることが初めて実現するのである。

大規模なシステム環境で培ったソリューション

 Skyは、社内で2500台以上のクライアントPCと150台以上のサーバーを管理・運用している。比較的大規模なシステムを有する企業といえよう。Skyは受託開発等のシステム開発において、多くの取引先から、堅牢なセキュリティレベルの確保や、高品質を求められてきた。自社商品開発においても、それらの姿勢に変わりはない。そのため、社内に専用のテスティングルームを設けており、大規模な環境で徹底した品質評価も実施している。不具合などの連絡時には、これらのテスト環境で迅速に評価・対応できる体制を整えている。

 また、知的財産の重要性を認識し、特許取得も積極的に行っており、2008年3月現在、同社が出願中の特許は200件近くに上っている。さらに、研究開発した技術・ノウハウを広く利用してもらうことも視野に入れ、有償開放特許にも注力している。

 そして、「使いやすさ」にこだわったインターフェースには、同社が文教市場で培ったノウハウが惜しみなく投入されている。Skyは、長年に渡ってICT活用教育支援ソフトウェア「SKYMENU(スカイメニュー)」シリーズを提供し、文教市場で高いシェアを獲得している。コンピュータに不慣れな学校現場において、教職員が簡単に利用できるインターフェースは必須であり、その点にこだわって研究開発を続けてきた成果である。オリジナリティの高いソリューションを提供できる背景には、このような複数の要因が絡み合っているのだ。

「幸せとおもしろさあふれる豊かな情報社会の実現」企業理念が成長の秘訣

 もう1つ。同社の企業理念も「SKYSEA Client View Ver.3」が注目されている要因といえるだろう。同社は創立以来、情報化社会の発展に貢献していく中で、「幸せとおもしろさあふれる豊かな情報社会の実現」を企業の理念としている。情報セキュリティというと、性悪説を採る場合が多く「疑う」ソリューションが目立つ。プロモーションにしても「監視」「抑止」が全面にでており、負の要素が強い。しかし、実際は、社員の協力があってこそのセキュリティであり、Skyの提案はここに着目している。不注意による事故は「監視」「抑止」だけで完璧に防止することはできない。社員や職員一人ひとりに、情報セキュリティの意識=「自覚」をもってもらうことが重要だと主張している。つまり、ICTの「光」の部分をフォーカスしているのである。

 そのため、販売パートナーにとっても顧客に対して提案しやすく、顧客から見た場合、同社のソリューションであれば受け入れやすいのではないだろうか。市場から注目されるのは「SKYSEA Client View Ver.3」というソリューションのバックボーンに対する信頼性が高く、実際に運用された中で提供されているためであろう。製品力だけでは、市場は動かない。そのことが「SKYSEA Client View Ver.3」を通して、市場に問われているのではないだろうか。(週刊BCN 2008年3月31日号掲載)
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外部リンク

Sky=http://www.skyseaclientview.net/