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<プリンティングソリューション特集>省スペース・省エネなどニーズは多岐にわたる(下)

2008/07/07 19:56

週刊BCN 2008年07月07日vol.1242掲載

リコー
課題に対して真摯に対応
パートナーとの連携も大幅に強化

 リコーは、プリンティングについて「ソリューション」と「コモディティ」に二分し、それぞれの市場に適した展開を行ってきた。「ソリューション」については「オフィス系」と「業種業務系」に分け、それぞれの用途に応じて適切な製品・サービスを提供している。リコーの戦略を販売事業本部・ソリューションマーケティングセンター・プリンタ販売計画室の宮崎章二室長に聞いた。

良質のソリューションを提供すべくサポートプログラムを充実

 リコーは、顧客のニーズに最適な提案を行うべく、商品ラインアップやサービス、ソリューションを拡充してきた。その中で、顧客の業務課題を解決するため、ソフトウェアだけではなく、プリンタ自体の機能を強化するといった活動も続けてきた。

 同社は、パートナーによる間接販売以外に、直接販売も行っており、ユーザーの声が直接反映されやすい仕組み作りを行っている。

 「プリンタ単独でできることには限りがあります。当社では、システムと連動することでより大きな効果が発揮できると考えています。そのためには、パートナー様と連携してソリューションとして提供できることが重要だと考えています」(宮崎室長)とのことだ。

 リコーでは、パートナーを強力に支援する「リコー パートナー サポート プログラム」を用意している。これは、開発/販売/導入・設置/保守といったパートナー企業の活動フェーズにあわせ、さまざまな支援を行うプログラムだ。

 例えば、「検証機支援プログラム」は、パートナー企業のアプリケーションなどの出力検証を支援するプログラムだ。不具合などを事前に防止でき、障害に対してきめ細かい支援を行うことで、早期課題解決にもつながる。「セミナー開催支援プログラム」は、システムインテグレーターがインハウスセミナーを行う際に、プリンタを貸し出したり、説明員や講師の手配などの支援を行う。

 また、「物流・設置支援プログラム」では、個別のカスタマイズに応じて、オプションの装着やシステム設定、プログラム登録といったカスタマイズにも対応している。さらに、梱包は簡易ラック梱包で、増設トレイや両面ユニットなどを装着した状態で配送できる。廃材レスとなるため、環境負荷の軽減にも寄与する。

 「最近は、ネットワークでプリンタを活用するケースが多く、IPアドレスなどの設定は必須です。このプログラムを活用しておけば、お客様に導入後、すぐに使えて無駄なゴミも出ません。パートナー様からも非常に喜ばれていますね」(宮崎室長)とのことだ。

 機器を納品した後のサポートも万全だ。リコーは、全国434か所のサービス拠点を有し、約5000人のカスタマエンジニアを抱えている。ユーザーの要望に応じて24時間・365日フルタイムでの保守体制が可能なため、プリンタが停止すると業務に支障があるという顧客でも、安心して導入・運用できる。

 「このほか、開発パートナー様向けに、効率的なソフトウェア開発からビジネスチャンスの拡大まで多角的に支援する“Operius開発パートナープログラム”を実施しています。よりプリンタに近いところで連携を深めることで、よりよいソリューションが提供できると思います」(宮崎室長)。

魅力ある商品群で展開「省電力」にも注目

 「コモディティ」については、「電子写真方式」と「GELJET」といった2つのテクノロジーを有しており、それぞれ特徴のある商品を提供している。「電子写真方式」では、エントリーカラープリンタ市場に対してカラーレーザープリンタ「IPSiO SP C220」、カラープリンタ、カラーコピー、ファクス、カラースキャナーの機能を搭載した複合機「IPSiO SP C221SF」を提供。

 GELJETプリンタにおいても、コストパフォーマンスに優れた「IPSiO GX 2500」シリーズ、高画質・高速連続印刷を実現した主力の「IPSiO GX 3000」「IPSiO GX 5000」シリーズ、A3ノビ出力を実現した「IPSiO GX 7000」シリーズ、さらにマルチファンクションタイプの「IPSiO GX 3000S」「IPSiO GX 3000SF」が提供されている。

 「“GELJET”は、低消費電力という部分も注目されています。最大消費電力は蛍光灯1本分と同程度で、電気代では一般的なカラーレーザーの1割程度に抑えることに成功しています。官公庁・文教市場や多店舗展開しているお客様から、引き合いも増えていますね」(宮崎室長)とのことだ。

 7月7日から、北海道で洞爺湖サミットが開催される。このサミットを契機に、国内の省エネの気運はさらに高まるだろう。

 「低消費電力」という時流に合った提案は、ビッグビジネスチャンスにもつながる。

 また、「GELJET」に関しても、用紙対応力を強化した「フロント手差しモデル」などを提供している。小規模な調剤薬局などでは、こちらのモデルを採用するケースも多いようだ。顧客ニーズに応えた商品作りを続けてきた結果が、多くの市場でも受け入れられる製品・ソリューションの提供につながっているのだ。

 実は、顧客満足度に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.Dパワー アジア・パシフィックの調査において、「カラー&モノクロ複写機/複合機」「カラー&モノクロレーザープリンタ」ともに第1位を獲得している。第三者機関の調査でも、同社の地道な活動が高く評価されているのだ。

 「製品・販売対応・保守サービスそれぞれが、お客様にご評価いただいた結果だと思っております。これは大きな勲章だと感じています。今後も、お客様の声に耳を傾けて、よりよいソリューションをお届けできるように活動してまいります」(宮崎室長)というのが、顧客・パートナーに向けたメッセージだ。


リコー=http://www.ricoh.co.jp/

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