ミッションクリティカルな基幹業務にも、オープンシステムの導入が増えている。オープンなシステムがゆえ、標準化とその運用が利用する側にとって難しくなってきている。そのため、ベンダーや企業間の協業や製品連携も進んでいるのは、当然と言えよう。本格的にパートナービジネスが加速していく中、NECのパートナー制度「WebSAM WORKS」は実績を上げており、市場と顧客から注目されている。NEC・第一システムソフトウェア事業部・事業部長 森 正氏と、WebSAM WORKSパートナーであるセゾン情報システムズ・取締役 HULFT開発センター長 西川 信次 氏、ウイングアーク テクノロジーズ・代表取締役社長 内野 弘幸 氏による3社鼎談を行った。

市場を牽引するWebSAM WORKS
製品・SI・販売、それぞれでコラボレーションし、シナジー効果を創出



セゾン情報システムズ
取締役 HULFT開発センター長
西川 信次 氏

NEC
第一システムソフトウェア事業部事業部長
森 正 氏

ウイングアーク テクノロジーズ
代表取締役社長
内野 弘幸 氏

強みを生かすWebSAM WORKS

WebSAM WORKSの立ち上げの意図や参加の経緯について教えてください。

 2002年より「WebSAM」のパートナー制度を立ち上げておりましたが、「WebSAM」だけでなく「InfoCage」や「WebOTX」、「CLUSTERPRO」なども含めたNECのソフトウェア・パートナー制度の発足に伴って、06年に従来のパートナー制度をさらに拡張し、より密接な製品連携とビジネス拡大を実現させるWebSAM WORKSに移行しました。

 

 WebSAM WORKSでは、パートナー様の力も借りて、「WebSAM」やパートナー様の強みを生かしつつ、信頼性の高いシステムとシンプルに導入・運用できるソリューションをお客様の手元に届けることができると考えています。

内野 当社が提供している帳票基盤ソリューション「Super Visual Formade(SVF)」は、企業システムのオープン化、Web化という潮流の中で、非常にいいポジションを獲得できています。「帳票が出ないと業務が止まる」というお客様も多く、ミッションクリティカルな活用をされ始めています。その中で、ネットワークやサーバを含め、企業システムのダウンタイムを最小にしたいという要望が強くなっているのは確かです。 SVFは、05年からNEC様にOEM提供していますが、このミッションクリティカルな活用ニーズは当社の製品だけではカバーすることができません。「WebSAM」とコラボレーションすることで、汎用機並みの信頼性をオープン系システムで実現できるようになると考え、WebSAM WORKSに参加しました。

西川 当社でもオープン化の潮流の中で、“異機種間でのデータ連携“というニーズに早くから注目し「HULFT」を提供しておりました。NEC様とは、「HULFT」の販売当初からお付き合させていただいており、NEC様のご協力もあってこの領域ではデファクト製品として認知されております。今後さらなる成長を続けるために、運用面での強化をはかり「HULFT」をソリューションとして提供することで、お客様への付加価値を高めていけるのではないかと考え、WebSAM WORKSに参加させていただいた次第です。

WORKSがもたらすビジネスチャンスとは


パートナービジネスがもたらすビジネスチャンスとは、どのようなものなのでしょうか?

 顧客の大多数がオープンシステムである現在、自社だけでビジネスを行うことは難しくなってきています。当社の信頼性の高い製品を活用することで、パートナー様のビジネス拡大に貢献できると考えてます。WebSAM WORKSの活動は、製品間の連携だけではなく、販売やSIerなどを含め、パートナー様間でさまざまな連携を図り、シナジー効果を出していきます。

西川 当社だけでは、参入できない市場に対してもWebSAM WORKSの枠組みを活用することで、参入できるようになりました。NEC様の全国に人材を配置した販売力とサポート力で、「HULFT」の全国展開を強力にご支援いただいています。

 一方、NEC様にとっては、自社のハードウェアに「HULFT」などのソフトウェアを付加して販売したり、「HULFT」が導入されている既存システムへWebSAMを活用した強化や追加ができるため、提案の幅も広がります。これは、双方にメリットがあると考えています。

 販売に関して言えば、当社にも今後開拓が必須となるSMB領域があります。この領域に対しても、パートナー様とコラボレーションすることで、展開することができるようになりました。当社だけではSI構築や提案が難しい顧客に対して、WebSAM WORKSの枠組みで組み込み販売することができるようになりつつあります。

内野 当社にはWARPというパートナープログラムがあり、NEC様は、当社製品と連携する「アライアンスパートナー」であり、当社製品を構築・販売する「インテグレーションパートナー」でもあります。当社だけでは、価値を出せないことでも、ソリューションやビジネス拡張など、パートナー様との協業で、さらに価値のある企業システムを提供できることが多いはずです。

お客様が求めるソリューションとは、どのようなものなのでしょうか?

内野 オープン化が進み、汎用機全盛の時代とは異なり、メーカーがハードウェア、ミドルウェア、ソフトウェアまで、すべて揃えることは不可能になっています。しかし、お客様は汎用機と同様の品質を求める傾向が強いのではないでしょうか。その中でシステムの安定稼働を実現し、お客様の運用を容易にする「WebSAM」は、非常に重要なソリューションであると考えます。

 おかげさまで、「WebSAM」の市場での認知も進んでおり、国産の統合運用管理ソフトウェアベンダー3強の1社として数えられるまでになりました。パートナー様とのコラボレーションでお客様に提案していただく事例など、メディアへの露出も増えています。いろんな意味で知名度が高まってきていると実感しています。また「WebSAM」について言えば、障害が発生したときに、誰でも簡単に対処方法や対処履歴を参照できる「ナレッジ」が、顧客に高く評価されています。

西川 NEC様と共同で開発した「HULFT」の「標準ナレッジ」は、エラーコードではわからない対処方法まで表示できるので、お客様からも非常に喜ばれています。「WebSAM」は、運用ツールの枠組みを超えた統合運用管理を実現しているソリューションだと実感しています。

WORKSというパートナー制度が非常にうまく機能しているように見えますが、その秘訣は?

 マーケティング活動や販売活動以外の技術サポートでも、パートナー様とは「本音」でお話させていただいています。率直な意見を交わすことで、非常にいいサイクルが作り出せています。

西川 確かに、コミュニケーションが親密だと思います。技術サポートも一緒にコミュニケーションをとっていますし、日本の顧客は一番品質に厳しいですから、お客様の声を製品に反映することが相互のメリットになっていると思います。

内野 WebSAM WORKSの場合、製品間連携はもちろん、製品の情報交流やパートナー間の交流が深いと思います。要望などもストレートに伝わるので、より良質なシステムを提供できる可能性も高くなっています。この相乗効果は非常に大きいメリットです。

 体裁ばかり気にしていても仕方がないですからね。当社、パートナー様、お客様それぞれがWin-Win-Winの関係でいられるというのが重要です。

それぞれのメリットを最大化するWORKSですが、ビジネスをさらに拡大するためには何が必要でしょうか?

内野 お客様のシステム運用を安定的に稼働させるノウハウは当社だけで提供できるものではありません。この部分でお客様の支援は、当社だけでは難しいのです。これは、「WebSAM」が長年積み上げたノウハウや顧客への導入実績からの経験が生かされる部分だと思います。

 「WebSAM」と連携することで、お客様のシステムの安定感が増し、障害時の手当も迅速に行えます。お客様にとって非常に付加価値の高い安心できる高信頼なシステムと言えるでしょう。「WebSAM」を扱っているSIerの方にも、「SVF」をはじめとする製品とのコラボレーションモデルがあることをアピールし、ビジネスのさらなる拡張と発展をしていきたいですね。

西川 我々はパートナー間接販売がメインなので、NEC様が「HULFT」の提案をしていく過程で、お客様からのニーズや問題点などの生の声を、より詳しい状態で提供していただいていることが強みになります。品質に厳しいNEC様のお客様からの声をいただくことで、製品へのフィードバックを行い、より信頼性を高め、販売しやすいソリューションを目指しています。お互いの「強み」をさらに強化するという意味でも、今後も継続したWebSAM WORKS活動を実施していきます。

 WebSAM WORKSのパートナー様は、セゾン情報システムズ様、ウイングアーク テクノロジーズ様をはじめとして、それぞれ、日本の厳しいお客様の要望に応える品質を提供し、高い評価を獲得しています。今後は、さらに成果が上がるように、パートナー様同士がお互いの強みを結びつけたソリューションを提供するといった、NECがハブとなり大きな輪を広げるような展開をしていきたいと考えています。SMB市場での販売力強化、SaaS対応、海外展開、当社の他のWORKS活動との横連携も深めていきます。WebSAM WORKSをさらに充実させ、参加していただいている各社のビジネス拡大と貢献をNECが牽引して提供したいと考えます。