サーバを設置したいというニーズは、企業規模を問わず増加傾向にある。しかし、専用のサーバルームを用意できる企業は、さほど多くはない。事務所規模でも設置できるサーバを求める声は、日増しに高まっている。こうしたニーズに応えるべく、付加価値を高めた製品開発に注力するベンダーの活躍が目立ち始めている。

設置環境性を高め、事務所設置も可能に

 ハードウェア的に差別化が困難とされているオープン系システムだが、ユーザーニーズに応えるべく、特徴的なハードウェアを提供するベンダーも登場し始めている。特に国内ベンダーは、日本独特のニーズに応える商品を提供し、注目を集めている。例えば、国内企業をみると、専用のサーバルームを用意できない企業も多い。特に中堅・中小企業は、その傾向が強い。サーバの設置場所は事務所内ということになるが、既存のサーバは事務所での設置を想定しておらず、設置に際して騒音対策や空調などの課題が残ることが多い。しかし、ラックサーバ同様の拡張性・可用性を持たせたいというニーズは切実だ。こうしたニーズに応える高付加価値のサーバは、新たな市場を開拓する尖兵として期待されている。

設置場所を選ばないスリム型サーバ

 今でこそ当たり前のように販売されているスリム型のサーバだが、これも国内ニーズに応えて開発されたものだ。それまでサーバはラック型やタワー型が主流で、スリム型のモデルは主流ではなかった。スリム型は設置場所を選ばないという利点があるものの、特殊な部品を採用したり、サーバの設計を一から見直さなければならないなどのデメリットがあるため、ワールドワイドで展開し、大量生産により価格競争を行っている外資系ベンダーなどは、このような製品を提供することができなかった。カバーする市場が大きいため、日本市場に特化した小回りのきく展開はなかなか難しいというのが本音なのだろう。しかし現在では、デスクトップPCもスリム型が主流となりつつある。設置性を重視する潜在的なニーズは、確かにあるのだ。

 そのようなニーズの高まりに応じて、スリム型サーバを提供するベンダーも増えてきている。このような潮流は、今後さらに加速していくだろう。

 国内のサーバ市場においては、ユーザーニーズにいち早く応えられる国内ベンダーの優位性は高い。もちろん、大規模システムでは「統合」や「仮想化」がテーマになっているが、中堅・中小企業では、設置環境性が大きな課題である。つまり、設置スペースが少なく、静音性の高いサーバが求められているのだ。

 もちろん、それだけでは十分ではない。信頼性の高さも重要だ。サーバに求められる信頼性を確保した上で設置環境性の高い製品が、今後、さらに増えていくだろう。

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