Special Issue

<コンシューマ市場冬商戦>ネットワークが紡ぎ出す新しい市場

2008/10/04 19:56

週刊BCN 2008年09月29日vol.1253掲載

 液晶テレビやプラズマテレビ、HDDレコーダーやハイビジョンビデオカメラ、デジタルカメラなど、デジタル家電が身近なものになった。これらは主に家庭で利用され、デジタルデータは日々蓄積されている。それにともなって、デジタル家電の周辺機器も拡充されている。デジタルデータの増加は、パソコン周辺機器ベンダーにとって新たなビジネスチャンスとなっているのだ。

PCとデジタル家電 双方がビジネスチャンスに

融合し始めたデジタル家電とパソコン

 デジタル家電とパソコンの垣根は年々低くなっている。これまでパソコンの独壇場だったインターネットも、デジタル家電やコンシューマゲーム機などで利用できるようになってきている。また、その反対に地上デジタル放送を受信や録画できるパソコンも登場し始めている。これらのデジタル家電とパソコンは、どちらもデジタルデータを扱うため、相互の役割が徐々に融合し始めているのだ。

 今年のコンシューマ市場の夏商戦を振り返ると、テレビのアナログ放送が2011年7月24日に停波することに加え4年に1度のオリンピックがあったこともあり、薄型テレビなどが注目された。また、テレビの映像をきれいに残したいというニーズからHDDレコーダーやブルーレイディスクレコーダーなどが伸長していた。

 一方、パソコン市場に目を移すと、数万円から購入できる低価格ミニPCがヒット商品となり、店頭を賑わせていた。この傾向は、冬商戦も続くだろう。

冬商戦の主戦場はデジタル家電の周辺機器

 デジタル家電の台頭にともない、その周辺機器市場も盛り上がりを見せ始めている。

 デジタル家電をより便利に活用する提案やパソコンをデジタル家電として活用できるようにする周辺機器なども発売されている。

 パソコン周辺機器を提供してきたベンダーも、そのノウハウを元にデジタル家電市場に参入し始めており、新たなビジネスチャンスが生まれつつある。

 このような市場の変化は「CEATEC JAPAN 2008」などの展示会などでも感じられる。これまでパソコンの周辺機器ベンダーとして知られてきたメーカーがデジタル家電関連商材を展示し、来場者にその利便性などを体験してもらうコーナーなども用意しているようだ。さらに、特別展示として「人をつなぐ」新たなるステージとして、次世代ネットワークやパソコンや情報家電を相互接続し連携して利用するDLNAなどのネットワーク規格などにフォーカスしたステージや「次世代へつなぐ」と題したデジタル放送完全移行を見据えた啓発PRなども展示される。こうしたことからも、冬商戦の主戦場がどのようなものになるのかを予想できる。コンシューマ市場の冬商戦はデジタル家電とその周辺機器がメインとなるだろう。これまで夢描かれていたデジタルホームの実現が、一歩ずつ近づいているのだ。

PC周辺機器に加えデジタル家電の周辺機器も強化

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