2003年に設立され、今年で5年目の節目を迎える東芝ソリューション。11月に開催される東芝ソリューションフェア2008を前に「ソリューションの原点に立ち返り、お客様満足度を行動の基本とし、ソリューション営業のプロフェッショナル集団を目指していきたい」と語る同社の常務取締役営業統括責任者・薮内正彦氏に、これからの同社の展開について話を聞いた。

お客様満足度の向上を目指す

知客実行(考)を実践し、営業体制を革新

 2003年10月の設立で、今年5年目の節目を迎えた東芝ソリューション。同社は、担当営業がお客様の業種に関する知識や情報を確実に蓄えられるように、業種別専任営業組織や、必要に応じてお客様専任の営業組織を設けるなど、お客様満足度向上のための施策を進めている。お客様の経営課題を正確に理解するためには、「お客様のことをとことん知る」必要があるからだ。同社が提唱する「知客実行(考)」、つまり「お客様のことを知り、知恵を絞り、よく考えて実行する」というコンセプトは、こういったところにも生かされている。

 2010年に向けて営業改革を進めていくなかで、今年4月には、業種別営業ごとの施策立案を横断的、全社的な視点でまとめあげ、営業戦略を共通化してマネジメント強化を図るため、営業統括部を新設した。この営業統括部がシステム品質統括部や技術企画部と密接な連携をとる。お客様の声を商品開発に反映させたり、開発案件のリスク情報を共有し、早期の対策による納期・品質確保に反映したり、プロスペクト(見込み客)情報を早い段階で共有することにより開発人員の確保を行う体制を整えた。

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CS(お客様満足度)に着地点(ゴール)はない

 同社は、経営ビジョンとして「お客様満足度(CS)のあくなき向上に努め、お客様から最も高い評価・信頼を得られるNo.1ソリューションパートナーを目指します」と掲げている。これを実現するために、お客様に対して「とことん、聴く。とことん、考える。とことん、解決する」という姿勢を徹底している。2002年以来、東芝グループでは「CS向上委員会」を設置している。この委員会では、営業活動やお客様満足度調査(昨年131社261名の回答)を行い、そこから拾い上げた声を分析し、日々の営業活動の改善に反映させている。

 営業統括責任者である薮内常務は、「CS(お客様満足度)に着地点はない」と断言する。「1つの課題が解決しても、お客様が100%満足するわけではない。解決した後も、もっとお客様に満足していただくには何ができるのかを常に考えることが重要だ。さらにお客様とお付き合いしていくうちに、新しい課題が出てくる。その課題を早い段階で見つけ出し、解決方法を提示していく必要がある。つまり、ゴールはありえない」からだ。そのため、同社では1つの顧客と長く付き合うケースが多い。「ともすると、営業は新しいお客様獲得へとエネルギーを向けがちだが、まずは今のお客様の期待に応える姿勢を大切にしたい。今のお客様を満足させられない営業が、新しいお客様に提案する資格はない」と、薮内常務は熱く語る。

 営業スタイルも年々変化している。従来は、自社の商品を売り込みにいくというスタイルが主だったが、今はそうではない。お客様の業界を勉強し、足を運び、実際に話を聞きながら、お客様が抱えている経営課題をきちんと把握し、その解決のための提案をさせていただくというスタイルが定着してきているという。

さまざまなイベントを通じてお客様の経営課題を引き出す

 新設された営業統括部の重要なミッションの1つとして、1965年に発足して以来、43年の歴史をもつ“東芝ITユーザ会”の運営がある。現在では全国で600もの企業や団体が会員となり、各種イベントやセミナー、システム研究会などを開催し、会員相互の情報交換やスキルアップ、そして異業種交流も図っている。システム研究会では、会員同士が企業や業種の枠を超えてグループになり、あらかじめ定められたテーマに基づき年間を通じて議論する場を設けている。ここで得た知識や経験が参加者それぞれのスキルアップに繋がり、参加した企業からは「よい人材育成の場になった」という声が返ってきているという。

 また、プッシュ型コールセンターの運営も重要なミッションとなっている。ここでは、電話コンタクトによる営業の訪問機会づくりやイベントへの集客を行っている。コールセンターで入手した情報を基に担当営業が訪問、課題のヒアリングから具体的な解決策を提案することもある。「こうした情報の中から真のニーズを掘り起こし、新商品開発のヒントとなる有意義な情報を得ることができる」と、薮内常務。このように、同社ではエンドユーザーやお客様企業が抱える課題を引き出すためのさまざまな工夫を行っている。

 2008年11月6日からの2日間、ホテルパシフィック東京にて東芝ソリューションフェアが開催される。このフェアのキャッチフレーズは、「ソリューションの原点に-たしかな技術、響きあうソリューション」だ。薮内常務は、「これまでお客様からのご理解とご支援のおかげで順調に進んできた。初心を忘れず、気持ちを引き締め、原点に戻ることが重要」と語る。

 これまでのフェアでは自社の新商品について説明することが主だったが、今年は、まず課題を掲げ、その課題を解決するためにはどの商品を使えばいいのかを説明する内容にした。特に、安全、安心に使ってもらうための提案を中心に、多くの事例を紹介するという内容になっている。

 最後に、薮内常務に今後同社が目指す方向を尋ねたところ、「東芝ソリューションという社名の認知度をもっと広げ、東芝グループの中でIT全般を担う会社として、名実共にお客様から信頼される会社にしていきたい」と答えた。常にお客様の立場に立ち、CSを行動の基本として「知客実行(考)」を実践している同社の今後に注目したい。