Special Issue

<セキュリティソリューション特集>TCO削減にもセキュリティを活用

2008/12/12 19:56

週刊BCN 2008年12月08日vol.1263掲載

アイアンポートシステムズ
Webからの脅威<マルウェア対策>
中堅・中小企業向けのWebセキュリティアプライアンス「IronPort S160」をリリース

SMB向けに新プラットフォーム「IronPort S160」をリリース

 アイアンポートシステムズは2008年11月14日、Webセキュリティアプライアンス「IronPort Sシリーズ」のエントリーモデル「IronPort S160」を発表した。同社はすでに、Webセキュリティ分野に進出しており、エンタープライズをメインターゲットに展開してきた。

 「IronPort Sシリーズ」は3モデル提供されているが、それぞれに機能的な差異はなく、接続ユーザー数やスループットに応じて選択できる。「IronPort S160」は、SMB市場にターゲットを絞り込んだ新プラットフォームである。従業員数1000人程度までの中堅・中小企業に最適なソリューションとして提供される。「IronPort Sシリーズ」に「IronPort S160」が追加されたことで、提案の幅が広くなり、新規市場の開拓も可能となった。

エンタープライズで実績のある数々のWebセキュリティ機能

 ここ数年、電子メールやWebと連動した脅威が横行しており、メールで届いた一見正常と思われるURLをクリックしたために、機密情報が漏えいしたり、結果として悪意のあるユーザーのコントロール下に置かれてしまうケースも増加している。AV-Test.orgの調査によると、06年に確認されたマルウェアが97万2000種であるのに対し、07年では550万種ものマルウェアが検出されている。たった1年で、脅威の数が5倍以上に膨れあがっているのだ。

 企業は、これらの脅威に対して、Web Proxyやキャッシュ、スパム対策、ウイルス対策、URLフィルタリング、ポリシーマネジメントなどの多層防御で対抗してきたが、複数ソリューションを管理・運用する必要があり、管理・運用工数も課題となり始めている。  これらの課題に企業規模は関係ない。大企業から中堅・中小企業までが、同じ課題を有しているのである。「IronPort Sシリーズ」は、多層防御を1つのアプライアンスで行い、洗練されたGUIや各種レポートの集中管理など、管理・運用性も向上させている。

 「IronPort Sシリーズ」は、Webレピュテーションフィルタ機能を有しており、アイアンポートシステムズが運営する、実績のあるレピュテーションサービス「IronPort SenderBase」で提供されるスコアをもとに、既知・未知のサイトの危険度を判定する。このスコア情報を利用し、「一定値以下のサイトへのアクセス遮断」、「中間スコアのサイトはアンチマルウェア機能で詳細チェック」、「高評価のサイトはアンチマルウェアをバイパスする」といった設定も可能だ。システム負荷の大きいアンチマルウェアの処理を軽減し、パフォーマンスへの影響を抑制できる。

 また、インバウンド/アウトバウンドそれぞれで、マルウェア対策フィルタのスキャンを実施、一般的なマルウェア対策では、インバウンドのみのスキャンが多いなか、PhoneHomeと呼ばれる不正に入手した情報を持ち帰る動きも検知し、情報漏えいを防止する。さらに、暗号化通信であるHTTPSプロトコルもスキャンする。HTTPSは、ECサイトなどで情報保護のニーズの高まりから利用されるケースが増えているが、マルウェアにも悪用されるケースが出始めている。通信が暗号化されているため、ゲートウェイでのスキャンができず、マルウェア対策の盲点となっていた。リスクを低減させるためにはHTTPSの対策は急務と言えよう。

 また、「IronPort S160」の発表に伴い、「IronPort Sシリーズ」の機能強化も図られている。例えば、昼休みと就業時間でWebサイトへのアクセス制限を変更する、といった設定が可能な新機能も搭載される。すべての企業にとって「IronPort Sシリーズ」は必須のソリューションと言えるだろう。「IronPort S160」により、新たな市場創出への期待が高まる。


アイアンポートシステムズ=http://www.ironport.com/jp/