Special Issue

<セキュリティソリューション特集>需要高まる情報セキュリティ

2009/03/12 19:56

週刊BCN 2009年03月09日vol.1275掲載

ワンビ
予防対策のセキュリティで安心ですか?
データを遠隔消去するセキュリティとは

セキュリティ商品開発や物流・販売に注力

 ワンビは、2006年5月の創業以来、セキュリティや事業継続などに軸足をおいた展開を行っている。主力製品として、遠隔でクライアントPCのデータを消去する「トラストデリート」を提供しているほか、法人向けのセキュリティ商品開発も行い、相手先ブランドによる生産(OEM)として、ソフトウェア開発協力も行っている。事業継続という観点では、根強い人気を誇るLTOなどの業務用バックアップメディア販売をインターネットストア「LTOストア」で展開している。

トラストデリートで事後対策を実現

 これまでのセキュリティ製品は、予防対策が中心で、事後対策については十分ではなかった。しかし、万全を期したからといって、情報漏えい事故を100%防げるという保証はない。現に、多くの企業がセキュリティ対策を導入している今も、情報漏えい事故は相次いでいる。

 09年2月に最新版が販売開始された、同社の主力製品「トラストデリート2.0」は、パソコンの盗難・紛失時に、サーバーから情報の削除命令を送るだけで消去できるというものだ。「この製品は、クライアントPCにインストールしたエージェントが一定時間ごとにサーバーに接続し、認証しています。この際、削除命令があれば、あらかじめ指定してあるデータを消去します。紛失したパソコンがネット接続されるかどうかはわかりませんが、そういったケースにも最新版の“トラストデリート2.0”で対応しました。一定時間認証できない場合は、データを自動的に削除する機能を搭載しています。これなら、さらにセキュリティレベルを向上させることができます」と、取締役の板井清司氏。

 さらに同製品は、データ消去時に、その証明として「消去確認証明書」も発行する。まさに、情報漏えい対策の最後の砦となるソリューションだ。「金融機関や大手企業、中堅・中小企業など、幅広いお客様に導入されています。機密保護を実現できるとして、モバイルPCだけではなく、デスクトップPCに導入するお客様もいらっしゃいます」(板井氏)。

 「トラストデリート」は、大規模導入時でも容易に導入できるように、CSVによるクライアント一括登録やサイレントインストールに対応している。クライアントの自動登録も可能だ。数万台規模のインストールでも、管理工数はほとんどかからず導入できる。すでにある大手金融会社では4000台以上が稼働しているとのことだ。

 「ソフトウェアですから、パソコンが起動していなければ利用できません。しかし今後トラストデリートは、インテルvProテクノロジーに対応し、電源が切れているPCの電源をONにし、データを消去することができるようにもなります」とのことだ。またSSDなどのフラッシュメモリにも期待しているという。「SSDは揮発性のメモリを媒体にしていることから、データを一瞬で完全に消去できます。このテクノロジーとトラストデリートを併用すれば、より早く、より確実なデータ消去が実現するでしょう」(板井氏)。

 事後対策に着目したという点で、「トラストデリート」は、これまでのセキュリティ商材とは異なるアプローチを示した。アイデアはシンプルだが、その効果は大きい。ユーザー企業はもちろん、新規市場を開拓する商材としても、パートナー企業から注目を集めている。


ワンビ=http://www.onebe.co.jp/