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<文教市場 特集>アイ・オー・データ機器 学校向け映像配信システムを開発

2009/06/29 19:55

週刊BCN 2009年06月29日vol.1290掲載

最小コストで、教育効果上げる

 アイ・オー・データ機器(I・Oデータ)は、小・中学校向け映像配信システム「ラーニング・オン・てれび」を、今夏の販売に向け開発している。同社はこれまでもビデオ・オン・デマンド(VOD)のプラットフォーム(ハードウェア)をあらゆる学校に提案・導入してきた。今回は、文部科学省の「学校ICT(情報通信技術)環境整備事業補助金」に基づき、各自治体で導入の検討が始まるのを機に、最小限の投資で最大の教育効果を発揮するシステムとして売り込む。

 同システムは、教育コンテンツ会社のベネッセコポレーションから教科学習用動画コンテンツの提供を受け、大容量サーバーで一括管理し、校内LANのネットワークで各教室に映像配信できる。各教室では、教室用端末に接続されたテレビで視聴し学習ができる。

 このシステムを活用することで、同一の教材コンテンツを複数箇所で、それぞれ都合のよいタイミングで視聴できる。クラス単位だけではなく、学年・学校単位での柔軟な学習が可能だ。また、パソコンの操作は不要で、簡単なリモコン操作で見たい教材コンテンツをすぐに再生できる。

 同システムは、導入費用はコンテンツサーバーと教室用端末という最小限の投資で最大の教育効果を発揮できるのが特徴だ。小型で持ち運びが楽な教室用端末を校内LAN配線とテレビにつなげるだけで、簡単に視聴準備が完了する。

 教科学習用動画コンテンツは、ベネッセが提供している「@発見島Movie」がコンテンツサーバーにインストールされている。学習効果の高い動画を厳選し、教科別・単元別に収録した動画コンテンツデータベースで、単元の狙いを意識し、「学び」や「気づき」の要素をちりばめたストーリー展開になっている。動画コンテンツはすべて、導入・展開・まとめの各シーンに取り込みやすいショートコンテンツ(長さ30秒~120秒)で構成。新学習指導要領に沿った内容になっている。小学校、中学校、各教科にあわせてラインナップも用意してある。さらに教師や、学習のなかで児童・生徒が作成した、オリジナル映像や音楽・画像の追加、表示もできる。

 I・Oデータは、同システムの開発に向けてNPO法人ブロードバンドスクール協会に協賛するシステムズナカシマ(岡山市)と共同で、数年前から各地の小学校にVODシステムを使った教育研究を推進してきた。同システムは、ここでの検証などを基に、教育現場で簡単に使うための操作感や安定性を高めている。パソコンなどICT機器が揃ったにもかかわらず、コンテンツ不足や利用環境が学校にそぐわないなどで、利活用が進まないケースが多い。今回のシステムは、こうした教育現場の課題を一気に解決に導きそうだ。同社は今後も、同システムをはじめ、文教市場に向けた様々な提案、機器やプラットフォームの提供を積極的に行っていく。



アイ・オー・データ機器=http://www.iodata.jp/
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