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セイコープレシジョン、ラインアップ拡充とパートナー販売への移行でロードバランサーの拡販を強化

2010/10/04 19:55

 セイコープレシジョンは、6月にネットワーク機器のブランドを「Netwiser(ネットワイザー)」に統一し、これを機にロードバランサー事業の拡大に力を注いでいる。10月に中規模以上システム向けの新製品「SX-3750 LB」を投入するとともに、販売体制を刷新。従来の直接販売中心からパートナー販売に切り替え、本腰を入れて拡販展開を進めていく。今後は、さらなるラインアップ拡充のほか、関連製品ベンダーと協業したソリューション展開にも意欲をみせている。

10月に中規模以上システム向けの新製品を発売

 セイコープレシジョンは、自社開発のロードバランサー「Netwiserシリーズ」として、小規模システム向け「SX-3220 LB」、中小規模システム向け「SX-3640 LBH」、中規模以上システム向け「SX-3750 LB」の3製品をラインアップ。このうち10月から販売開始する新製品が、中規模以上のシステムをターゲットにした「SX-3750 LB」だ。

 「SX-3750 LB」は、高性能CPUの採用、メモリ拡張や内部バス速度の向上など、従来製品に全面的な改良を加えたことで、2.5Gbpsのトータルスループットに対応。「SX-3640 LBH」に比べ、約6倍の性能を実現した。さらに、オプションによるSSLスループットも、170Mbpsから1.5Gbpsと約9倍の性能向上を図っている。

 菊池一弘システム事業部ソリューション営業部ソリューション営業2課長は、「従来製品は、サーバーバランシングの用途に特化したいわばエントリー向けモデル。これに対して新製品の『SX-3750 LB』は、中規模以上のシステムでのハイエントリーな用途にも対応できるよう、性能を強化した。当社はロードバランサーでは後発になるが、ラインアップが揃ったことで、ロードバランサー事業拡大に向けての土台をつくることができた」と語る。

菊池一弘システム事業部ソリューション営業部ソリューション営業2課長

ロードバランサーを活用したソリューション展開も視野に

 セイコープレシジョンでは、ロードバランサーのラインアップ拡充にあわせ、10月から販売体制を刷新。これまでメインだった直接販売から、パートナー販売への切り替えを実施した。

 この狙いを、執行義隆システム事業部ソリューション営業部ソリューション営業2課副主事は、「製品ラインアップが揃い、これから本格的に拡販展開を進めていくうえで、当社の販売力・サポート力だけでは不足があると判断した。本社を含めて全国8か所に営業拠点を設置しているが、全国のSMB市場を開拓していくにはカバーしきれないエリアが多すぎる」と説明する。

 製品を扱う販売パートナーのメリットについては、「とくに新製品の『SX-3750 LB』は、コストパフォーマンスにすぐれているのが大きな特徴。高額なハイエンド製品を使い切れていない中堅・中小企業をターゲットに、ITコスト最適化に向けたリプレース提案を行うことができる。また、大手SI販社にとっては、ハイエンド製品に加えて、SMB向けの製品ラインアップを補完できる商材になるはず」(菊池課長)とアピールする。

 同社が今回、パートナー販売への切り替えを決断した背景には、もう一つ理由がある。「『SX-3750 LB』の投入で土台となるラインアップは揃ったが、このままではSMB市場の幅広いニーズには応えきれないと考えている。そこで、販売活動についてはパートナー企業の協力を得て、当社はメーカー本来の機能である製品開発にリソースを集中することで、さらなるラインアップの拡充を目指していく」と、奥ノ坊彰システム事業部ソリューション営業部ソリューション営業2課ネットワークスペシャリストは語る。

奥ノ坊彰システム事業部ソリューション営業部ソリューション営業2課ネットワークスペシャリスト

 具体的には、中小規模システム向けの「SX-3640 LBH」と中規模以上システム向けの「SX-3750 LB」の中間に位置するスペックをもつ製品を早期に投入し、SMB市場に向けた拡販展開を加速させていく。

 さらに、「パートナー販売に切り替えたとはいえ、今までのように製品単体での販売を続けていくだけでは、市場は限られてしまう。今後は、ソリューション展開にも着手していく」(執行副主事)と、販売パートナーとの協力体制をベースに、ソリューションパートナーとの協業も積極的に進めていく。

執行義隆システム事業部ソリューション営業部ソリューション営業2課副主事

 「ロードバランサーの関連製品を扱うストレージベンダーやセキュリティベンダー、パッケージベンダーなどと協業し、それぞれの製品を組み合わせることで、ロードバランサーを活用したソリューションを提案したい。また、当社はハードウェアからファームウェアまでを自社開発しているので、ベンダーの要望に合わせてカスタマイズしたモデルをOEM供給することもできる。こうした取り組みは、販売パートナーにとっても新たなビジネスチャンスにつながるはず」と、執行副主事は今後の展望を明かす。




 製品ラインアップの拡充、パートナー販売への移行、そしてソリューション展開――。セイコープレシジョンのロードバランサー事業は、いま、第2フェーズに入ろうとしている。
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外部リンク

セイコープレシジョン=http://www.seiko-p.co.jp/