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セキュアソフト 総合的セキュリティベンダーを目指す 「強い製品力を前面に打ち出す」

2012/05/10 19:55

週刊BCN 2012年05月07日vol.1430掲載

 IPS(不正侵入防御システム)の有力メーカーで、日本市場で急速にシェアを伸ばしているセキュアソフト。同社は、IPS製品のモデルチェンジに加えて、急増中のDDoS攻撃をリアルタイムで検知して遮断する新しい商材を投入した。姜昇旭社長は、同社の強い製品力を武器として、販売代理店とのパイプを太くしながら、「総合的なセキュリティベンダーになる」ことを目指している。姜社長に、そのカギを握る製品戦略について聞いた。

 セキュアソフトは、より安全で安心な高度化されたセキュリティを製品開発のキーワードとして掲げており、IPS市場でトップレベルのプレーヤーとして存在感を増している。ユーザ企業の社内サーバーとネットワークを不正アクセスから保護するIPSは、サイバー攻撃の標的として狙われやすい大企業や有力サービスプロバイダを中心に導入が進み、市場が本格的に拡大している状況だ。セキュアソフトは、リーズナブルな価格ながら高性能を誇るIPS製品をラインアップし、通信キャリアや官公庁、金融機関、オンラインゲーム事業者を主な取引先としている。

 姜社長は、サイバー攻撃の急増によるIPS需要の高まりを受け、「ここ数年、売り上げを速いスピードで伸ばしている」と、自信をみせる。

安全で安心な高度化された
セキュリティを元にした新モデル

姜昇旭 社長
 セキュアソフトでとくに売り上げの拡大に貢献しているのは、10Gbpsに対応するハイエンド機種「SecureSoft Sniper IPS 10G」である。2010年に発売した「SecureSoft Sniper IPS 10G」は、10Gbps対応によって、増大している企業ネットワークのトラフィックを迅速に処理することができる。不正侵入をいち早く検知・遮断することを強みとしている。

 セキュアソフトでは、キヤノンITソリューションズをはじめとする強力なパートナー各社を通じセキュリティ市場での展開を進めている。とくに、キヤノンITソリューションズでは、データセンター、金融、自治体をはじめ、大規模ユーザを中心に活発なプロモーションを実施している。また2011年には総合ITベンダーのNECを「SecureSoft Sniper IPS」の販売代理店として獲得するなど、販売体制をますます強化し、製品の導入数を加速化させている。

 姜社長は、「ハイエンド市場のニーズに最適化した『SecureSoft Sniper IPS 10G』は、例としてデータセンター(DC)事業者の多くに引き合いをいただいており、日本の大手DCのおよそ30%に使っていただいている」と、ニーズの高まりに確実な手応えを感じている。

 「SecureSoft Sniper IPS」シリーズは、設置と管理が簡単であることを売りにしている。本体に管理コンソールを内蔵し、ブラウザを通じて指定のパソコンから管理コンソールにアクセスすることができる。そのため、IPSをDC内に設置しても遠隔地に設置しても、どこからでも簡単に運用管理することが可能となる。管理画面は、日本語に対応しており、視覚的に使いやすいデザインを採用している。管理画面でトラフィック情報をリアルタイムで表示したり、検知した攻撃を詳細に説明するなど、社内システムを安全に管理する一連の流れが簡単操作で完了する。システムの高いセキュリティ性を実現するとともに、IT管理者の負荷を大きく減らしているわけだ。

 セキュアソフトは、「SecureSoft Sniper IPS」のさらなる拡販を図り、この4月に、既存のモデルである「Aシリーズ」を「NEシリーズ」へモデルチェンジした。NEシリーズの特徴は、既存の管理インターフェースを抜本的に変更し、複数のモニタリング情報をひとつの画面上でより直感的に表示させながらユーザ特有のネットワーク情報をより効率的に分析することが可能となった点である。一般的にIPSは運用者による日々の情報分析がシステムを安全に保つ上で最も重要であり、この機能強化はユーザ企業のセキュリティ対策をさらに進化させることができるだろう。また、自動レポート機能も大幅に強化され、管理者の運用上のニーズに応えるものとなっている。

SecureSoft Sniper IPS NE4000

高精度のDDoS対策製品を投入

 セキュアソフトはこのほど、NEシリーズの投入に加え、ユーザ企業のシステムを複雑化しつつあるDDoS攻撃から守るソリューションとして、DDoS攻撃をリアルタイムで検知して遮断するアプライアンス「SecureSoft Sniper DDX」を発表した。より高いセキュリティ性を求めるユーザ企業に向けて、IPS製品と一緒に導入することを想定しているものだ。DDoSは、ユーザ企業のサーバーに大量のデータを送信し、サーバーの機能を停止させるサイバー攻撃の一種である。ここ数年、新型のDDoS攻撃が多発的に発生して、複合化が進んでいる。

 「SecureSoft Sniper DDX」は、トラフィックをモニタリングし、8段階の分析/遮断エンジンを活用することによって、新型を含めてあらゆるタイプのDDoS攻撃を防御することができる。国内外の幅広い攻撃対応情報を適用し、確実な保護を実現している。「SecureSoft Sniper DDX」は、韓国の全ての大手通信キャリアと官公庁の60%が導入するなど、グローバルで普及が進んでいる。

 ユーザ企業は、「SecureSoft Sniper DDX」を利用すれば、DDoS攻撃による自社内の被害を防ぐのはもちろんのこと、その企業が提供するサービスの安全性を確保して、サービスを利用している顧客に安心感を与えることができる。この製品も「SecureSoft Sniper IPS」と同様に、設置と管理が簡単なので、導入にかかる費用を抑えることが可能だ。

 姜社長は、「SecureSoft Sniper IPS」と「SecureSoft Sniper DDX」を有望商材として、事業のさらなる拡大に取り組む。今後、スマートフォン向けセキュリティにも注力し、「総合的なセキュリティベンダーになる」ことを全力で推進していく。



販売パートナー:
キヤノンITソリューションズ株式会社
セキュリティソリューション事業部
Tel:03-6701-3441  Fax:03-6701-3471
製品情報ページ http://canon-its.jp/product/ips/
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外部リンク

セキュアソフト=http://www.securesoft.co.jp/