伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、日本マイクロソフト製品を活用したソリューション事業を伸ばしている。今秋に登場した「Windows Server 2012」にも大きなビジネスチャンスを感じており、「System Center 2012」と組み合わせたシステム構築などに意欲を示している。従来UNIXに強いCTCだが、数年前から「Windows Server」に精通する技術者を育成し、事業基盤を築いてきた。国内有数のSIerであるCTCの新サーバーOSビジネスをみる。

マイクロソフト事業が絶好調

 CTCは、伊藤忠商事グループのソリューションプロバイダで、年商2977億円(2012年3月期)を誇る大手だ。従来からUNIXシステムの構築・運用サービスに強く、UNIX/LINUXを利用した堅牢なミッションクリティカルシステムを構築する技術力は、国内でも群を抜いて高い。そのため、「CTC=UNIX」とイメージする人も多いだろう。

 しかし、今のCTCは、UNIXだけではない。Windows Serverでも高い技術力をもっている。CTCが日本マイクロソフト製品を積極的に活用し始めたのは、およそ4年前。Windows Server 2008が登場した時だ。CTCのITエンジニアリング室の松崎雅浩・プラットフォーム技術部部長代行(兼)ICTソリューション推進課長は、「Windows Serverを活用したいというユーザーがかなり増えてきて、重要なシステムでもWindows Serverの採用実績が増加していると感じている時にWindows Server 2008が登場した。手薄だったマイクロソフト製品を活用したソリューションを強化する良いきっかけだと思った」と語っている。

 CTCは、Windows Server 2008が発表された時に、国内最多のWindows Server 2008の認定技術者を育成・保有。評価・検証作業にもいち早く取り組んだ。Windows Serverを活用したシステム構築力を一気につけたわけだ。

 松崎氏は、「10年以上、マイクロソフト製品を活用した事業を展開しているが、今が一番勢いがある」と実感している。その言葉通り、CTCは昨年度、日本マイクロソフト関連のビジネスが高い割合でプラス成長している。

杵島正和氏

運用管理ソリューションにも期待

 マイクロソフト製品を活用した事業が順調に伸びているなか、当然ながら新サーバーOSに対しても期待を示している。マイクロソフト製品の技術評価・検証を担当しているICTソリューション推進課の杵島正和氏は「非常に品質が高く安定しているOS」とWindows Server 2012を評価する。

 マイクロソフトが大幅に機能強化した仮想化技術「Hyper-V」については、「仮想化では、ヴイエムウェアが先行していたが、Windows Server 2012はヴイエムウェアのテクノロジーに遜色ない。かなりレベルアップした」と話している。CTCは、サーバーとストレージ、仮想化ソフトを組み合わせた仮想化ソリューション「VM Pool」を展開しており好調だが、「今回のWindows Server 2012が登場したことで、販売に弾みがつく」と確信している。

 また、Windows Server 2012を活用したソリューションとして「System Center 2012」と組み合わせた運用管理ソリューションに可能性を見出している。「ユーザーのシステムが複雑化しているなかで、運用管理の効率化を支援するソリューションにはビジネスチャンスがある。今年は運用管理ツールのSystem Centerもバージョンアップし、連携したソリューションを提案しやすくなった。新OSの関連ソリューションとして販売を強化したい」と意欲を示している。

 松崎氏は、全体の機能をみて「過去のOSに比べて、非常に安定した高機能なOS。完成度は高いと思っている。マイクロソフトは『The Cloud OS』と今回の新サーバーOSを表現している。正直にいえば、そこまでではないとは思うが(笑)、オンプレミス型システムとクラウドの両方を動かすためには、非常にすぐれている基盤だ」と話している。

 昨今、マイクロソフトビジネスを、Windows Server 2008の発売を機に一気に強化したCTC。新OSの登場で、ますますマイクロソフトビジネスのウエートを高めていくのは必至だ。

CTCの仮想化ソリューション「VM Pool」

(写真/津島隆雄)