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<BCN Conference 2015>日本IBM IoT×クラウドでアイデアをすばやくビジネスに 「IBM Bluemix」を軸にIoTソリューションを実現

2016/02/04 19:55

週刊BCN 2016年02月01日vol.1614掲載

 IoT活用を具体的に考えたとき、システムのアーキテクチャをどうするかが問われることになる。なかでもクラウドが急速に普及した現在では、クラウドをベースにしたシステムを描くのは自然な流れだ。そうした背景を受けて、IoTソリューションに最適なクラウドのかたちを示すべく「IBM Bluemix で始める!つながる!IoTビジネス」と題して、「BCN Conference 2015」のIoTセッションに登壇したのが、日本IBMの宇藤岬・クラウド事業統括 クラウド・テクニカル・サービス ソリューション・アーキテクトだ。

クラウドのスケーラビリティが必要

宇藤 岬
クラウド事業統括 クラウド・テクニカル・サービス
ソリューション・アーキテクト
 ガートナーの調査(Gartner press release. “Gartner Says the Internet of Things Installed Base Will Grow to 26 Billion Units By 2020.” December 12, 2013. http://www.gartner.com/newsroom/id/2636073. Accessed on August 29, 2014.)によれば、コンピューティングデバイスの台数は、2014年現在で100億個が存在しており、これが5年後の20年に300億個に、さらに50年には1000億個超にと爆発的に増加すると予測している。

 「こうした変革期にどのようなアーキテクチャをもったシステムを考えていくかが問われている」と、宇藤アーキテクトはITベンダーが取り組むべき姿を訴える。

 IoTへの取り組み方法やその基盤について考えるとき、得てしてデバイスからのデータ収集にばかり目が向きがちだ。しかし、それよりも大切なのは、どうやってデータ処理・分析を行って、ビジネスにどう活用していくかという視点である。分析した結果、うまくビジネスに活用できなくても、次に新しい角度から分析を行い、その結果をフィードバックしていくといったように、サイクルを上手に回していくようにすべきなのだ。

 宇藤氏は、「他社に負けないようなスピード感をもってIoTを実践しようとすれば、それを支えるIT基盤にも柔軟性や拡張性が求められることになる。そのため、IoTにおいてもクラウドのスケーラビリティが前提となる時代になっているのだ」と強調する。

容易で迅速なIoTアプリ開発

 IBMでは、IoTに適したPaaSとしてサービスを提供しているIBM Bluemixをベースに、そのうえで稼働するクラウドベースのIoT基盤「IBM IoT Foundation」などを提供している。一般的なIoTソリューションの全体像をみると、データの収集・保管から処理・分析、アクションのフェーズへとつなげていくという一連の流れとなるが、IBM BluemixとIBM IoT Foundationを組み合わせたIBMクラウドは、収集・保管から処理・分析、さらにはデータを活用するアプリケーションの実行基盤までの領域をカバーし、クラウドサービスとして提供されている、MQTT基盤やRDB・NoSQLと幅広いDBサービス、処理・分析のための機械学習や予測分析などのアプリケーション機能を多彩なメニューから選択が可能となっている。

 セッションで宇藤氏は、IBM Bluemix×IBM IoT FoundationによるIoTソリューションのクイックスタートの様子も実演してみせた。宇藤氏が展開したいくつかのデモでは、デバイス、API、ウェブサービスのコーディネーション・ツールである「Node-RED」を使った迅速なIoTアプリケーション開発の様子も披露した。直感的で視覚的なインターフェースを駆使し、容易にIoTアプリケーション開発が行えることを実演した。

 「Node-REDを使えば、ここまで容易かつ迅速にIoTアプリケーションの開発が行えるようになる。ぜひ少しでも多くの方々にIBM IoT FoundationとNode-REDという組み合わせを試していただきたい」との考えを宇藤氏は示した。

アイデアをかたちにするIoTに適したクラウド

 IBM IoT Foundationのサービスは、IBM Bluemix上ですぐに利用することが可能だ。「そもそもIBM Bluemixとは、多様なアイデアを即座に価値のあるかたちとして実現することを可能にするアプリケーション実行環境だ」と宇藤氏は説明する。

 IBM Bluemixでは、100を超える種類の高品質で多彩なサービスを活用して、クイックなアプリケーション開発を行うことができる。そのサービスの領域も、IoTのみならず、モバイル、セキュリティ、DevOps、ウェブアプリ、データベース、データ分析などと幅広い。個々のサービスについても、IoTに関するものであれば、IoTモニタリングをはじめとして、画像認識やTwitter分析など、非常に多岐にわたっているのだ。

 「アプリケーション開発・稼動を実現するためのPaaSであるIBM Bluemixは、IoTソリューションに最適なサービスと自負している。IBM Bluemixでスモールスタート、クイックスタートを実現することで、ぜひ成長につながるIoT活用を実践していただきたい」と力説した。宇藤氏は最後に、30日間にわたってランタイムやサービスがすべて使い放題というIBM Bluemixのフリートライアル※を紹介してセッションを締めくくった。
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外部リンク

日本IBM=https://www.ibm.com/cloud-computing/jp/ja/bluemix/