松本芳武(まつもと よしたけ)
 1957年、東京都生まれ。82年、横河・ヒューレット・パッカード(現日本ヒューレット・パッカード)入社。97年、米HPに出向し、エグゼクティブ・ブリーフィング担当。執行役員エンタープライズ・ストレージサーバー事業統括やエンタープライズビジネス営業ストラテジック・プロジェクト担当を経て、2011年8月1日、シネックスインフォテックの執行役員社長&CEOに就任。13年2月より現職。
 

デジタルトランスフォーメーション 五輪競技でのIT活用からみられた新たな潮流

――今年のテーマは「デジタルトランスフォーメーションの波を掴み、ユーザ企業への提案を加速」ですね。その意味するところをお教えください。

松本 デジタルトランスフォーメーション(DX)は、昨年まで訴求していた「第3のプラットフォーム」を包含し、発展させたものといえます。第3のプラットフォームは、どちらかというとベンダー側の動向を指していましたが、それに対しDXはユーザー企業を巻き込んだ動きであり、今後はユーザー企業に対しDXの浸透を図っていきます。

 DXは確実に動き出しています。これまで、第3のプラットフォームやDXの事例は、主に首都圏の大企業が中心でしたが、最近は各地の販売店が扱うような事例も出てきています。

 リオデジャネイロ五輪・パラリンピックでも、これまでのスポーツ選手のように経験と勘だけではなく、データ分析にもとづいてトレーニングを重ね戦う選手たちが頑張っており、時代が変わったと感じます。バレーボールでは監督がタブレット端末を携えて常にチェックしていましたし、ラグビーでは練習の際に運動量センサを装着して選手の動きをモニタリングしていました。まさにIoTの活用です。

――イベントではどのように提案していくのでしょうか。また、今年のみどころは何でしょうか?

松本 DXは、2020年頃まで続く数年越しの大きな潮流であり、われわれディストリビュータとしての仕事も、まだ数年は続いていきます。これまでも販売店を通じて提案を行ってきましたが、大手企業とは違って、中堅・中小規模のユーザー企業や、そうした顧客に提案する販売店にとっては成功例が必要となります。そこで、販売店が自信をもって提案を進められるよう、リファレンスモデルとなる事例をつくっており、最近は参考になる実例が増えてきたと思います。

 展示では、DXや第3のプラットフォームの進展を、クラウドやモビリティ、そしてビッグデータ関連のジャンルを核として、しっかりみせていきます。自社で導入し成果を挙げているマイクロソフトのOffice365やAzure環境と、SIMロックフリーのスマートフォンや2in1のタブレットPCとの連動、また文教で導入の進むChromebook、そしてそれらを支えるインフラとしてHPE/Arubaの無線LAN環境など、当社のソリューションとして紹介していきます。そして中核となるベンダー様には従来通りスポンサーとして参加していただいているほか、それらを補完するかたちでDXの進展に欠かせない新たなベンダー様にも参加いただいています。
 

グローバルなベンダーの日本での事例を数多く紹介

――今年の業績と今後の見通しはいかがでしょうか?

松本 グローバルでは米国とカナダがかなり好調となっていますが、それに対し日本では少し遅れている状況です。今後は、DXを進展させていくことで米国やカナダに近づけるだろうと考えています。

 市場の動向としてはサーバー、ストレージとも4月くらいから少し弱めになっており、それをカバーするかたちで伸びているのがモビリティ製品です。また、クラウドも昨年比数十%ほどの伸びを続けていますが、既存の市場が大きいため、その移行も含め、まだまだ期待のもてる市場と考えています。今、第4四半期(9~11月期)は、サーバー需要が戻ってくると期待しています。また年末に向けてのコンシューマの消費も期待しています。当社では6月に営業組織を改組し、これまで全国をカバーしていたコマーシャル向け営業本部を東西に分けるかたちで、新たに営業本部を一つ増やしました。この体制で、西日本のコマーシャル領域を重点的にフォーカスしていきます。

――最後に、来場者へ向けたメッセージをお願いします。

松本 当社はグローバルな事例を共有し、グローバルなベンダーを日本に紹介する役割を担っておりますが、その一方で、日本のユーザー企業に納得感をもってもらうには、日本でのソリューション事例をたくさん提供していくことも重要だと考えています。そして五輪・パラリンピックでの選手の活躍のように、日本でのビジネスを伸ばし、そしてグローバルのパートナーに対して日本市場の魅力をお伝えしたいとも考えています。今回の「SYNNEX ICT Conference」でも、数多くのセッションを用意しますが、DXを実践しているユーザーをお招きし、講演していただく予定です。