オールフラッシュのストレージ市場において、シェアを急激に伸ばしているストレージベンダーがある。NAS(ネットワーク接続型ストレージ)市場を切り拓いてきたネットアップだ。近年では、NASに加え、SANやiSCSIにも対応したFASシリーズにより、幅広いユーザーニーズに応えてきた。「AFF A」シリーズは、その技術力とフラッシュのパフォーマンスに特化したストレージである

高い信頼性と運用性

 ネットアップは、NAS分野で市場に参入し、ラインアップを広げてきた老舗のストレージベンダーである。オールフラッシュのストレージについては、同分野に特化するソリッドファイアーを2015年に買収するなど、積極的な投資によって急速にシェアを伸ばしている。また、同社の主力製品は、SANとNASに対応したFAS(Fabric-Attached Storage)で、オールフラッシュの製品も提供している。

 

高田 悟
ストラテジックプロダクツ営業部
SP1課課長

 「メインのストレージはオールフラッシュで構成して、システムのパフォーマンスを確保し、データのレプリケーション先は安価にSATAディスクで構成する。このような対応ができるのは、老舗ストレージベンダーゆえの強み」と、ストラテジックプロダクツ営業部SP1課の高田悟課長は、ユーザーニーズに合わせてシステム構成を柔軟に設定できることを評価している。

また、ネットアップのストレージ製品は、ヴイエムウェアの仮想化環境や、オラクルやマイクロソフトのデータベースといったエンタープライズ環境との連携において信頼性が高く、バックアップやレプリケーションといったオペレーションを実行しやすいのも特徴である。「ネットアップがユーザーから支持されるのは、エンタープライズ環境で高い信頼性と運用性を誇っているところ」にあると、高田課長は説明する。なお、オールフラッシュストレージは、FASシリーズのほかに「AFF(All Flash FAS) A」シリーズ、「SolidFire」シリーズ、「EF」シリーズも展開している。

VDI環境も適材適所で構成

 ネットワールドの検証施設「PIC」で検証したネットアップのストレージは、オールフラッシュのストレージでありながら、中堅・中小企業にも導入しやすい価格設定の「FAS2650 ALL SSD」。検証では、1000ユーザーのVDI(仮想デスクトップインフラストラクチャ)環境を用意。VDI検証ツールの「Login VSI」を使用してパフォーマンスを測定した。
 

 「ブート試験では、IOPSの最大値が9万を超えた。驚いたのは、これか最小構成でのパフォーマンスということ。この価格帯であれば、3万IOPSくらいをイメージするが、その三倍にもなる。また、ログイン試験においても、1100ユーザー程度まで快適な環境を得られる結果となった」と、高田課長は検証結果を評価している。

 VDIは導入当初が快適でも、ユーザープロファイルのサイズが利用するにつれて大きくなっていくため、レスポンスが徐々に悪化していく傾向にある。「ネットワールドでは、そうしたVDI環境の特性を理解したうえでの運用シナリオを用意している」と高田課長は、“ストレージといえばネットワールド”の強みを強調する。

 オールマイティなラインアップも、ネットアップの魅力だ。それは、VDI環境においてもアドバンテージになるという。高田課長は、「ユーザープロファイルを格納するファイルサーバーは、安価なSATAを採用したストレージで十分。役割に応じて最適なストレージを採用できるのは、ネットアップの強み」と考えている。もちろん、豊富なラインアップで最適な環境を構築できるのは、ネットワールドの経験とノウハウがあってこそである。

 

編集長の眼 ハイエンドがすべてではない

 VDI環境にハイエンドのストレージを採用すれば、レスポンスの悪化などをほぼ心配することなく運用できる。ただし、それには予算が豊富であればの条件が付く。少ない予算となれば、コストやレスポンスを考慮した最適なストレージ構成を提案しなければならない。必要なのは、ユーザーを説得するためのデータだ。

FAS2650の検証データをみると、プロファイルのサイズによって、レスポンスが大きく変わってくることがわかる。つまり、導入時が快適でも、ユーザー数によっては、運用していくなかでレスポンスが落ちてくる可能性があるということだ。ただ、こうした検証データがあるからこそ、運用開始後のシナリオも描きやすい。