カタログに表記されているスペックだけでは、適性を正確に判断することは難しい。ましてや、エンタープライズの多様なニーズに応えるには、技術的に裏付けされた検証データもほしいところだ。ネットワールドは、同社の検証施設「PIC」において主要6社のストレージを検証している。今回は、そのなかからオールフラッシュに特化しているピュア・ストレージの検証結果を紹介しよう。

独自開発のOSでSSDを制御

 ピュア・ストレージは、オールフラッシュ製品に特化したストレージベンダーである。同社の強みは、フラッシュの特性を考慮し、効果的な活用を実現した技術にある。

 例えば、フラッシュの寿命問題。フラッシュは書き込みの寿命が短いため、一般的にデータ保存の品質はHDDよりも悪いとされる。多くのオールフラッシュストレージが、保守期間を3年や5年、長くても7年と設定しているのは、そのためだ。ピュア・ストレージは、フラッシュを制御するOS「Purity」を開発し、これらの課題を克服。同社のストレージ製品は保守期間が10年で、コントローラは3年ごとに無償で提供、SSDについては半永久的に保守の対象としているのは、技術的な裏付けがあるからだ。

 「SSDの寿命はHDDよりも短いが、PurityがSSDへの書き込みを最小限に抑えたり、処理が一部のSSDに偏らないようにしたりすることで、高い品質を実現している」と、高田悟・ストラテジックプロダクツ営業部SP1課課長は説明する。Purityは、SSDの内部にわたる制御を実現しているため、SSDメーカーの仕様に左右されない特徴もある。

 障害対策においても、独自のDISK保護機能「RAID-3D」を採用。同時に2本のDISK障害が発生しても、データが保護される。また、無償で提供しているクラウドを利用した保守サポートサービス「Pure1」では、リアルタイムでストレージを監視し、統計データから障害を事前に検知するといった対応を行っている。

VDIの要件を軽くクリア

 ネットワールドは、運用管理やセキュリティ対策などでユーザーニーズが高まっているVDI(仮想デスクトップインフラストラクチャ)環境を想定し、各社のストレージをPICで検証した。その結果から、VDI向けのストレージとして、ピュア・ストレージの製品を評価している。
 
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高田 悟
ストラテジックプロダクツ営業部
SP1課
課長

 検証では業界標準とされるツールの「Login VSI」を使用し、ブートやログイン、アプリケーションの利用などについて1000ユーザーの想定で実行した。「なかでもログインが重要で、ユーザープロファイルのサイズによってストレージの負荷が大きく変わってくる。また、プロファイルのサイズはVDIの利用開始時には5MBほどで小さいが、使い続けると増えていき、ユーザーによっては100MBを超えるケースもある。こうしたユーザー環境を想定し、プロファイルのサイズについて、5MBから100MBまでを検証した。その結果、ピュア・ストレージの製品は、まったくレスポンスが落ちなかった」と、高田課長はVDI向きと評価する理由を説明する。

 ピュア・ストレージは、4製品をラインアップしている。PICの検証で使用したのは、エントリーモデルの「Pure Storage Flash Array//m10」。ネットワールドは、ログイン時間が1分以内であることを必要条件と考えているが、Pure Storage Flash Array//m10ではプロファイルのサイズが100MBでも10秒程度だった。「どの検証においても安定した結果を残した。それもエントリーモデルで十分」(高田課長)なことから、VDI案件に最適なストレージとしてネットワールドは推奨している。
 

編集長の眼 オールフラッシュ専業という覚悟

 オールフラッシュのストレージ製品は、ストレージベンダー各社が提供しているが、ピュア・ストレージには“オールフラッシュ専業”という覚悟を感じる。特筆すべきは、SSDの制御技術だ。SSD内部の制御を実現したことで、SSDメーカーの仕様に左右されないパフォーマンスを実現している。

 カタログスペックに出てくるIOPS(1秒間に可能なI/O回数)は、過去の経緯もあり、多くのストレージベンダーは転送データのサイズを4KBにしている。ところが、一般的には4KBよりも大きなデータサイズのI/Oが発生する。ピュア・ストレージが、カタログで転送データのサイズを32KBとしているのは、そのためだ。IOPSだけをみると、レスポンスが悪いと思われる可能性があるが、そこにもオールフラッシュ専業という覚悟を感じることができる。