主力製品の「ASTERIA WARP」で国内EAI/ESBソフト市場において10年連続シェア1位(テクノ・システム・リサーチ調べ)を獲得しているインフォテリアは、近年、IoTソリューション領域への注力姿勢を鮮明にしている。「BCNフォーラム」で同社の垂見智真・ASTERIA事業本部マーケティング部部長は、より多くのユーザー企業がIoTのメリットを享受できるようになるツールとして、同社の製品群をアピールした。

IoTとはデータの取り扱い方法

垂見智真
ASTERIA事業本部
マーケティング部部長

 IoTに関する基本的な考え方について垂見部長はまず、「アプリケーションをどう書くかとか、いろいろやらなければならないと考え始めるとハードルがどんどん上がってしまうが、われわれはIoTというのは一つのデータの取り扱い方法だと捉えている」と説明した。そのうえで、IoTをスムーズに導入するコツについて、「まず、加速度的に量も種類も増えていく新しいデータに対応するスピードが求められる。すぐに使えて必要なデータを取得できる仕組みを念頭に置くとともに、システム設計もすでに存在する仕組みを利活用してアジャイルにやっていくべき。PDCAよりも、スピード感重視のOODA(監視・判断・決定・行動)サイクルをベースに、スモールスタートが可能で、利用者自身が簡単にチャレンジ、修正できる仕組みづくりが重要だし、システムは常に1対1でつながるわけではないので、さまざまなデータのまとめ役となる“ハブ”も必要」と指摘。インフォテリアがこうしたニーズを満たすツールを開発・提供していることを強調
した。

「ASTERIA」が「ハブ」になる

 垂見部長は、同社の具体的な商材にも言及し、まず最初に、主力製品であるデータ連携ツールのASTERIA WARPを取り上げた。ASTERIA WARPは、国内EAI/ESBソフト市場で10年連続シェア1位(テクノ・システム・リサーチ調べ)を獲得している。さまざまなシステム間の接続とデータ変換をノンプログラミングで実現するというコンセプトが評価されている製品だ。IoTソリューションにおいても、非常に幅広いデータ、システムをつなぐ役割を果たし、まさに「ハブ」となる製品といえよう。

 16年10月には同製品をバージョンアップし、中小企業や中小規模の組織向け「ASTERIA WARP Core」もラインアップに追加した。垂見部長は、「基本機能に特化した仕様で、料金体系も月額3万円からのサブスクリプション型になったほか、テンプレートの機能や種類を拡充し、ITに詳しくない現場のユーザーも簡単に使えるような仕組みを強化した。また、他社のデータベースやクラウドサービスとの連携アダプタも、段階的に60種以上追加していく」とCoreの特長を紹介した。垂見部長が冒頭で指摘した、IoTをスムーズに導入するための要件を満たすような機能の強化が目立つ。

 セッションでは、ASTERIA WARPを活用したIoTソリューションの一例として、同社の実証実験のデモも披露した。大規模な小売店舗で、スマートフォンの無線LAN検索機能を活用して、スマートフォンのWi-Fi接続が「オン」になっている来場者の動線データを収集し、これにオープンデータである気象庁発信の気象情報、時間ごとの店舗の売上データをかけ合わせ、TableauのBIツールに流し込んで分析するというものだ。垂見部長は、「このソリューションなら、ほとんどコストをかけずに、どんな天気のどの時間にどんなキャンペーンが効果的かという判断を、強力にサポートしてくれる情報が手に入れられる可能性が高い。データを組み合わせて新たな価値を生み出すことを、非常に簡単に実現できるのがASTERIA WARPのメリット」だと会場に訴えた。

エコシステムの強化にも取り組む

 さらに垂見部長は、17年2月に正式にリリースする予定のIoT向けモバイルアプリケーション開発基盤「Platio」について解説した。IoT機器(センサなど)を活用したアプリ開発、サーバー側プログラムの開発、アプリの配布、システム全体の運用を、プログラミングの知識がない人でも簡単に行うことができるのが特長だという。「目視や対話が必要で、人が介在するIoTデータの収集方法をM2P(Machine to Person)とわれわれは呼んでいるが、Platioはこの基盤になる」(垂見部長)とのこと。ただ、プログラミングの知識がない人でも扱えるとはいえ、どんなデータを取るべきか、取得したデータをどのように料理するべきかについては専門家の知見が必要になる。ASTERIA WARPを含め、同社製品を活用してユーザーに有用なIoTソリューションを提供できるパートナーのエコシステムも強化していきたい考えだ。