日本マイクロソフトや東京エレクトロン デバイスなど、10社が参加するIoTビジネス共創ラボは2月23日、発足1周年記念イベントとして「IoTビジネス共創EXPO」を東京都内で開いた。ベンダーが事例を紹介する勉強会のほか、ブース会場ではIoTソリューションの展示などがあり、来場者はIoT活用について理解を深めた。
スピード勝負の「IoT戦国時代」
東京エレクトロンデバイス
IoTカンパニー
福田良平
カンパニーバイス
プレジデント
開会のあいさつで、幹事を務める東京エレクトロン デバイスの福田良平・IoTカンパニーカンパニーバイスプレジデントは、「当初は1年で100社の会員を目標に据えていたが、2017年1月末時点で一般会員は269社になった」と、予想以上に会員企業が増えていることをアピール。来場者に対しても団体への参加などの協力を求めた。
ベンダーの説明を熱心に聞く来場者
エコモット
入澤拓也
代表取締役
勉強会では融雪システム遠隔監視ソリューション「ゆりもっと」などを手がける、北海道札幌市を本拠地とするエコモットの入澤拓也代表取締役が、「IoTは、データを集めて、ためて、分析して、利活用につなげることを繰り返さないと意味がない」と強調。そのうえで、「今は、IoT戦国時代に突入している。遅いことは、とにかくだめ。開発スピードを上げていかないと、絶対に負けてしまう」と指摘。マイクロソフトが提供するクラウドサービス「Microsoft Azure」を使って効率的に開発し、既存事業に価値を付加することが大切だと訴えた。
このほか、接客IoTに関するセッションがあり、ドローンを活用したIoTビジネスと農業におけるIoTの利活用をテーマにした二つのパネルディスカッションも実施された。
来場者で混雑していたブース会場
Azureが開発や導入を後押し
ブース会場では、約30の企業や団体などが出展。分析や映像解析など、幅広い分野で業務を効率化できるIoTソリューションに来場者から高い関心が集まっていた。
ヘッドウォータースは、ソフトバンクロボティクスのPepperを活用した店舗向けアプリパッケージの「音声認識商品コンシェルジュ for SynApps」を紹介し、同社が得意なソリューションを来場者に披露。Pepperが来店客の顔を覚え、次回の来店時におススメの商品を案内する実演には、多くの来場者が見入っていた。
注目を集めたヘッドウォータースの「音声認識商品コンシェルジュ for SynApps」
イサナドットネットは、測定した血圧や体温などのデータをロボットに転送したり、対話したりできるヘルスケア向けソリューション「Bism」シリーズを展示。紙でデータを管理することが多い介護施設での作業量が、大幅に軽減できる点をアピールしていた。
イサナドットネットは「Bism」シリーズを披露
出展企業の多くからは、Microsoft Azureの安定性やPaaS機能の充実ぶりを評価する声が多くあがった。今後、IoT関連市場は右肩上がりが続くと予想される。開発や導入の面で、Microsoft Azureの役割は、さらに大きくなりそうだ。