日本ソフト販売は、電話帳の公開情報を利用したデータベースを中核に、全国電話帳データベース「Bellemax」、ネットソリューション「全国e電話帳」などを提供。金融、通販、飲食店、不動産、官公庁など、幅広い業界で利用されている。この電話帳データにおける約30年もの実績とノウハウをベースに、現在は個々の顧客に特化したデータ活用ソリューションを展開している。同社の中川慎二郎社長に、サービスの強みと今後の戦略を聞いた。

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中川慎二郎社長

 日本ソフト販売は、全国に公開されている電話帳の情報をもとに、顧客データベースや付随するサービスを提供している。設立以来、製品・サービスの開発をグループ会社のシーシーイーが、販売を日本ソフト販売が担う。

 日本ソフト販売の電話帳データベースに関するビジネスは、もともと通信販売の電話対応で殺到する案件を、迅速で効率的に処理するためのシステム開発・サポート業務としてスタート。そのビジネスのなかで、電話番号を入力するだけで顧客の住所や氏名なども自動的に入力して、受注業務の効率化を図ったことから誕生したのが電話帳データベースだ。

 「当社の電話帳データベースは業界で唯一、国内で完全に自社製造している。現在では、金融機関、通信販売、飲食サービス、不動産、官公庁など、さまざまな業界で利用されている。救急車、消防車、警察車両といった公共サービスにも採用されている」と中川社長は強調する。

 同社の電話帳は、全国の約2000万(個人約1400万件、法人約600万件)という国内最大規模のデータを収録する。さまざまなシステムに組み込まれ、地図表示、顧客情報の入力業務や本人確認、名簿リストのメンテナンスなどの用途で利用されている。

 例えば、カーナビゲーションで行先の電話番号を入力すると、場所やルートが自動的に表示されるが、そこに組み込まれているのが同社のソリューションだ。通信販売のコールセンター業務では、着信と同時に電話番号や住所、氏名などの情報を自動表示するシステムに組み込まれている。新規顧客でも、オペレータは情報を確認しながら対応できるため、業務を効率化できる。また、金融機関などの与信における本人確認などの審査業務で、電話番号の使用状況や履歴を確認するためのサービスも提供している。
 
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全国電話帳データベース「Bellemax」のサービスラインアップ

経済産業省の「RESAS」に採用

 「これまで電話帳に特化したサービスを提供してきたが、今は電話帳データベースを核に、ビッグデータソリューションといったデータ活用への展開を積極的に進めている」と、中川社長はビジネスが次のステージに入っていることを説明する。

 その一つが、経済産業省の地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」に採用された業種別法人電話帳データ「グリーンページ」の企業情報だ。RESASは、地方創生の実現を目的に、産業構造や人口動態、電話帳情報などの官民ビッグデータを活用して、地方自治体の取り組みを支援するため、分析情報を公開しており、日本ソフト販売では2011年から現在までのデータを提供している。

 日本ソフト販売のグリーンページは、全国の50音別電話帳に掲載されている企業約820万件の情報を、1005種類のジャンルで分類した「業種別法人電話帳データ」。同社では、日本全国の法人から、特定の地域・業種だけ、株式会社だけ、未開拓の法人だけを抽出するなど、顧客のニーズに合わせたマーケティングデータとして提供している。

 中川社長は、「業種ごとの分布状況、地域の産業特性、特定業種が集中する地域の把握だけでなく、それらの経年変化も可視化できるため、企業環境の変化から、新店舗の出店計画や販売計画の見直しなどに活用できる」としている。

使えない顧客データを使えるデータに変える「Valu∞」

 最近、ビッグデータをテーマに企業がもつ膨大な情報の活用が大きなビジネス課題となっているが、いざ実践となると苦慮している企業も少なくない。その理由の一つが、せっかく豊富な顧客データベースがあっても、重複や精度に問題を抱えているためだ。

 こうした悩みを抱える企業に向けて、同社が提供しているのがデータ整備ソリューション「Valu∞(バリューインフィニティ)」だ。同社の全国電話帳データベースをもとに、顧客データの住所や郵便番号の不備などを判定してクレンジングを実施し、不足情報を補完する。また、文字表記やファイルのレイアウトなどを統一したうえで、重複したデータの名寄せ処理を実行することができる。

 「顧客データの一元化や最適化、名簿のメンテナンスを手間かけずに行うことができ、最適化されたデータを使ってマーケティングなどに有効活用できる。とくに、多くの顧客データを抱えている企業にとって最適なサービスであり、大企業だけでなく、中小企業にも広く利用されている」(中川社長)という。

 データ整備では、法人番号(企業版マイナンバー)を取引先データへ一括で付加する総合顧客整備ソリューション「CNValu(シーエヌ・バリュー)」を提供。企業がもつ取引先データのクレンジング・名寄せを行い、国税庁が公表する法人番号を取引先データに一括して付加することができる。取引先データに業種・事業所・座標情報を付加するオプションも用意しているので、マーケティングデータとしての価値を高めることもできる。

 さらに4月3日には、全国のチェーン店情報を収録したデータコンテンツ「Chain Master(チェーンマスター)」の販売を開始した。同サービスは、コンビニ、ファミレス、ファーストフード、薬局・薬店など、独自に収集した全国のあらゆる業種約1000チェーン、20万店の情報を網羅する。マーケティングデータとして、競合店調査、顧客分析、新規出店計画、販促進計画立案などに活用でき、CRMやGISなど、さまざまなシステムへの組み込みも可能だ。

 「今後も、データベースコンテンツのプロフェッショナル集団として、より顧客のニーズに特化したソリューションを提供していく。そして、売り上げの2桁増をコンスタントに達成していくことが目標だ。そのためにも、各業種に強い販社、SIerの方々とのパートナーシップやアライアンスを積極的に進めたい」と、中川社長は抱負を語る。