VAIOは6月26日、さまざまな観点からワークスタイル変革に役立つ考え方、取り組みのポイントなどを紹介した特設サイト「Work × IT」(http://workit.vaio.com/)を公開した。「VAIO S13」「VAIO S11」を中心としたノートPCに加え、日本では数少ない本格的Windows 10 Mobileスマートフォン「VAIO Phone Biz」などを取り揃える同社のビジネス市場向け戦略について、花里隆志執行役員に聞いた。

日本のビジネス市場に根差し
拡張性や信頼性を重視

 ソニーから独立する形で設立されてから3年目を迎えたVAIO。ソニー時代からのPCブランドである「VAIO」はコンシューマ向けのイメージが根強く残るが、現在の同社はビジネス向け、それも日本市場にフォーカスしたPCおよびスマートフォンのメーカーといえる。
 

花里隆志
執行役員
Backup Exec製品担当 SE

 「ビジネス用途へのシフトは独立前のソニー時代から始まっていた。設立後は、その方向性をさらに加速しており、今ではビジネスカスタマーが全体の7割ほど、販路でも半分ほどが法人向けチャネルだ。ユーザー企業も、製造やソフトウェア、金融など多彩で、なかには数千台規模で採用する有名企業も含まれる」と花里執行役員は話す。

 VAIOの事業は、ビジネス向けのなかでも、とくに日本市場にフォーカスしている点が大きな特徴だ。同じ日本の企業として顧客との距離感が近いことを生かし、同社ではユーザーの声を積極的に聞くようにしているという。

 「ユーザーの声を聞くという点では、やはりコンシューマより法人ユーザーのほうがしっかり意見が得られる。当社の顧客ベースは、ソニーマーケティングがもつソニー時代からの顧客、ディストリビュータおよびリセラーを通じての顧客、また自社の直販顧客など幅広く、直販以外の顧客からも送客プロセスなどを通じて声を聞くことができる体制となっている。国内ユーザーに特化できるのがVAIOの強みだ」(花里執行役員)という。

 ユーザーの声を反映した製品づくりは、ビジネスモデルの主力であるVAIO S13やビジネスモバイルVAIO S11にも表れている。ワークスタイル変革や働き方改革などへの取り組みが進むなかで13インチ画面を中心としたビジネス用モバイルPCのニーズが高まっており、一部のメーカーでは薄型軽量・堅牢性で競争しているが、VAIOはそれだけでなく拡張性や信頼性への配慮を忘れていない。

 「S13やS11にも、日本のビジネスシーンで使われる機会が多いVGAや有線LANのような端子を省かず搭載した。また、長野県安曇野市にある自社工場で出荷前に全数検査する『安曇野FINISH』により、初期不良をはじめユーザーの手元に届いてからのトラブルも抑えている。この信頼性は、年単位で使い続ければライフサイクルコストの低減として、ユーザーの利益になることがわかっていただけるだろう。実際、顧客満足度やリピート率も高く、おかげで前年度も増益を達成した」と花里執行役員は手応えを話す。
 

13インチ画面搭載のクラムシェル型ノートPC「VAIO S13」。
薄型軽量・堅牢性だけでなく、日本のビジネスシーンに合わせてVGAなどの端子を搭載している点もポイントだ

送客から商談支援、サポートまで
パートナーへの支援体制も充実

 また、日本に特化したPCメーカーとして、国内のビジネスパートナーとの連携も強みの一つだ。送客だけでなく、販売やサポートにおける技術支援など、さまざまな施策を充実させている。花里執行役員は、「まず当社は、自らエンドユーザーにアプローチしてリセラーに送客するパスをもっている。また商談の際には当社の技術営業が同行し、仕様選定などをサポートすることができる。販売後にも、問い合わせ対応に当社の技術営業が支援している」と説明する。

 仕様選定においては、例えばVDI端末として使うユーザーのために、CPUやメモリを通常のカタログ仕様よりさらに抑えた提案を行うなど、特別な要件にも応じているとのことだ。もちろん、アプリケーションや設定を含めたキッティングなどの要望にも柔軟に対応する。

 「VAIOはコンシューマ向けのイメージが強く、法人向けには売りづらいと思われているためか、積極的にユーザーへ提案するのでなく、ユーザーからの指名があれば販売するというパートナーも少なくない。しかし当社では、商品力はもとよりパートナーへの支援体制も含め、手離れのよい商材を用意している」と花里執行役員はアピールする。

 また、VAIOでは新たに特設サイト「Work × IT」を用意し、働き方改革をテーマとして、VAIOに興味をもってもらうための情報を発信している。こういったところからもリセラーなどへの送客を行い、さらなるビジネス拡大を図っていく。