「セッション5」では、ネットワールドの福住遊・ストラテジック・プロダクツ営業部係長が、「ストレージからみるHCI(ハイパーコンバージドインフラ)の最新動向」と題して講演した。近年、HCIが仮想化基盤として急速に普及している。そのため、サーバーベンダー各社が注力している。その影響を受けているストレージ専業ベンダーは、どのような戦略をとっているのか。有力ディストリビュータとしての視点で解説した。

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福住 遊
ストラテジック・プロダクツ
営業部
係長

 まず、Dell EMCについては「2016年は、販売が当社実績で前年比238%という成長をみせた。これをけん引しているのが、HCI『VxRail』だ」とアピール。加えて、「Dell EMCは、自社でHCIを提供しつつも、実績のある既存の各種インフラ製品のラインアップを補完的に提案する戦略だ。一方で、当社でも取り扱っているHCIの先駆者ニュータニックスは、スケールアウト型のNASを含め、あらゆるワークロードをHCIに貪欲に取り込もうとしていて、ここに両社の大きな違いがある」とした。

 また、「NetApp HCI」を発表してHCIに参入することを明らかにしたネットアップについては「16年はストレージ単体でも前年比大幅伸長した」としている。NetApp HCIは、同社が買収したオールフラッシュストレージ「SolidFire」をベースに開発されている。障害に対するすぐれた自己修復機能やQoSの細かな設定が可能な点、コンピューティングノードとストレージノードがハードウェア単位で分離しているなどが特徴だ。「従来型のストレージとHCIのいいとこ取りを目指した製品」と評価した。

 さらに、ピュアストレージにも言及。同社は、現在のところHCIをリリースしていないが、SANストレージ製品をファイルサーバーにも対応させる「Purity Run」を提供していることを踏まえて「HCIに似た機能を市場に訴求し始めているが、従来のHCIのサーバーがストレージ技術を飲み込むかたちとは対照的に、ストレージがサーバーの機能を補完するような動きがおもしろい」と指摘した。

 まとめとして福住係長は、「HCIにも向き不向きがあるので専用ストレージはなくならない。それどころか、各社まだまだ絶好調といっていい。ただし、トレンドを踏まえ、ストレージ専業ベンダーもHCIへの取り組みを強化している。具体的なアプローチは各社各様だが、HCIの核ともなるストレージ技術でどんな特色を出せるかが今後の市場の行方に強く影響するだろう」と結論づけた。