国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの高木聡一郎・研究部長は、「ブロックチェーン技術の展開とビジネス活用に向けた課題」をテーマに講演した。信頼の脱組織化などが特徴のブロックチェーンを利用することで、「新しいマネタイズの方法を生み出すことができる」と主張した。

高木聡一郎
研究部長

 高木研究部長は、ビットコインの価格について「2017年1月の価格と比較し、現在は4倍以上になっている」と紹介。「これまでは、取引量に比例して価格が推移していたが、最近は価格が突き抜けて上がっている」とし、ビットコインに大きな注目が集まっていることを示した。

 ビットコインを実現するために生まれたブロックチェーンについては、「インターネット技術の上に構築される価値(資産)交換するための分散型インフラ技術」と定義したうえで「ビットコインだけでなく、最近は台帳管理やIoTなどに応用範囲が広がってきた」と説明。改ざん耐性、資産の管理可能性、中央管理者の不要性をブロックチェーンの三大要素に挙げた。

 ビジネスでは、「さまざまなプロパティ(資産)や取引をブロックチェーン上で登録、確認、移転できる可能性がある」とし、株やクラウドファンディングなどの「金融」、不動産登記や自動車登録などの「公的情報」、運転免許やパスポートなどの「ID」でも活用が見込めると紹介した。

 ビジネスでの活用に向けた課題については、一般的なデータベースの代わりとして使う場合、「スピード」や「データ量」、「セキュリティ」に問題があると指摘。仮想通貨のトークン機能を中心に利用した際は、アルゴリズム上の安全性を確認できるかが懸念点だとした。

 ただ、ブロックチェーンを活用することで、「大企業でなくても、銀行でなくても、政府でなくても、情報の信頼性を確保でき、価値交換の仕組みが提供できる」と予想。「トークン発行により、契約関係にない相手にインセンティブを生じさせることで業務を回す仕組みをつくることが可能だ」と述べた。

 さらに、「信頼できるトークンがあることによって、手数料や利用料に限らないマネタイズやファンディングの方法が誕生する」と持論を展開し、「今のシステムにどうやってブロックチェーンを使うかということのほか、もう少し中長期的な視野で活用を考えることも重要だ」と語った。