マシンの運用管理は人からマシンへ

 2016年3月に発売したハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)「Cisco HyperFlex Systems」が好調のシスコシステムズ。石田浩之・データセンター/バーチャライゼーション事業部長は、「グローバルで、約1900社以上が導入し、HCIとして成長スピードが最も速い」と話す。この秋、HyperFlexのアップデートを行うとともに、新たな構想をもったクラウドを活用した管理ツール「Cisco Intersight」をリリースする。

設定の自動化から
運用・管理の自動化へ

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石田浩之
データセンター/
バーチャライゼーション事業
部長

 サーバー、ストレージ、ネットワークをセットにしたHCIの登場により、設定や運用の負担は激減した。とくにシスコのHyperFlexは、ネットワークも含めて簡単に設定ができる。HX ConnectでHCIシステム全般の設定、vCenterを通じて基本的な設定、仮想環境の運用管理が可能だ。システム通電後、ユーザーが仮想サーバーを構築・利用できるようになるまでの設定は約30分で完了するという。

 システムレベルの設定の自動化、簡略化の次に、シスコが取り組むのが、サーバーやデータセンターの管理を、AIで自動化(Intuitive Data Center)する構想「Cisco Intersight」だ。
 
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中村 智
プロダクトマネージメント
シニアプロダクトマネージャ

 Cisco Intersightの将来構想について、中村智・プロダクトマネージメントシニアプロダクトマネージャは、「サーバーがどんな処理をしているのか、サーバーに何が起きているのかをAIが自動的に判断し、蓄積された構築実績、ベストプラクティスなどを利用し、常に最適な運用を自動で実現することが目標」と説明する。最終的にはシステムインフラが稼働状況をみて自動的に最適なシステムインフラや仮想マシンの環境を選択したり、どこかで新たな不具合と対応が情報化された場合、能動的に最適なパッチを自動適用するようになるという。

 これまでは運用管理者のノウハウにもとづいてパラメータを決定していたが、AIなどのディープラーニングを併用することで、運用管理者は作業の時間を短縮しつつも、技術障害のリスクを減らし、最適な設定、運用効率を高めることができ、ユーザー側にとっては短時間かつ、常に最適なシステムリソース、性能を手に入れることができる。

 Cisco Intersightのもう一つの特徴は、クラウドベースの管理ツールであるという点だ。これまではサーバーを管理するために管理ツールをインストールしたサーバーが別途必要だったが、Cisco Intersightは管理ソフトウェアをサービスとして提供する。常に最新の管理ソフトが提供されるので、運用管理者は管理ソフトのバージョンまで管理する必要がない。クラウドベースの管理ツールとオンプレミスのサーバー間は高いセキュリティレベルで接続されるが、それでもクラウド上に管理ソフトを置きたくない顧客には、オンプレミスの環境も提供予定。顧客のニーズに合わせて提案できる体制を整える。

 現時点の管理対象は、HyperFlexやUCSシステム、UCSラックサーバー(Cシリーズ、Sシリーズ)のみだが、今後、エコパートナーのソフトウェア、ハードウェアも対象に加える計画だ。

 こういったコンセプトのもと、9月に第一弾として各デバイスを集中管理できるコンソール、設定機能をもったバージョンをリリースする。中村シニアプロダクトマネージャは、「マネジメントソフトをクラウド側にもたせ運用管理するコンセプトをもったコンピューティングシステムは他社にない新機軸だ」と意気込みを語る。
 
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記者の眼

 サーバーのシステムが動いているか、監視、管理するために、これまでは別途管理用のサーバーが必要だった。運用管理者はサーバーを管理するために管理サーバーを管理する、という二重の管理を余儀なくされていた。管理サーバーだけではなくシステムサーバーの管理もシスコに任せることで、運用管理者の負担は大幅に軽減する。