アリババグループとソフトバンクの合弁で設立されたSBクラウドは、日本国内でパブリッククラウド「Alibaba Cloud」を展開している。講演では奥山朋・技術統括部技術部部長が登壇し、「2020リセッションを乗り越えるアリババクラウドの事業戦略」を説明した。

奥山 朋
技術統括部
技術部
部長
 まず、Alibaba Cloudの概要を紹介した奥山氏は、実際にECサイトで膨大なトランザクションを処理した「スケーラビリティ」と、Alibaba Cloud上で稼働するシステムに対する毎日2億回を超えるクラッキング、2000万回以上のウェブサーバーへの攻撃、1000回を数えるDDoS攻撃にも影響を受けない「セキュリティ」を、他社サービスと比べた優位性として挙げる。「後追いながら、世界では4番手に位置している。非常に多くのユーザーがおり、信頼してお使いいただけるさまざまなサービスを用意している」とアピールする。

 奥山氏は続いて、アリババクラウドが目指す産業の進化について言及。「今、全世界で第4次産業革命の真っ只中にあり、ビッグデータやAI、IoTが産業を新しく定義するといわれている」と、これらのテクノロジーの活用が産業変革のカギを握ると説明する。

 その上で、アリババグループ会長の馬雲(ジャック・マー)氏が2016年12月に発表した「ニューリテール」について解説。小売業を変革する取り組みを指し、オンラインとオフラインの融合などにより、消費者体験の向上や企業運営の最適化を図る。一例には中国で展開する生鮮スーパー「盒馬鮮生」がある。同店ではネットで注文が入ると、従業員が店の陳列棚から商品をピックアップ。商品は自動搬送レールでバックヤードへと運ばれる。半径3km以内の顧客にはオーダーから30分で商品を届けることを可能にしている。

 また、17年9月に発表した「ニューマニュファクチュアリング」では、AIを使ったビッグデータ解析やIoT機器の導入によって製造工程の効率化や設備の故障検知などを実現し、製造現場の生産性向上やコスト削減を図る。「こうしたテクノロジーを活用することで製造の現場を変えていく。アリババクラウドではそれを支えるさまざまなプロダクトをすでに用意している」と奥山氏。

 「今後注目されるのはビッグデータ、AI、IoTなど第4次産業革命を支える技術だ。中国ではアリババクラウドとして、さまざまなパートナーが集まってビジネスを実現できている。20年のリセッションを乗り越えるためにも、日本でも皆さんのお力を借りながら、産業を変えるビジネスを共に進めていきたい」と、奥山氏は参加者に協業を呼び掛けた。