海外に進出している企業にとって、現地子会社のガバナンスは頭の痛い問題だ。日本では想定しないような不正が生じやすい上に、日本の本社からは目が届きにくい。そうした課題に応えるソリューションを提供しているのが、固定資産分野を得意とするプロシップだ。同社の木本彰祐・システム営業本部FS営業2部部長兼海外ビジネス営業部部長と、藤田友秀・システム営業本部海外ビジネス営業部海外ビジネスGリーダーに話を聞いた。

資産と財務の不正が頻発 ガバナンスの強化は急務

木本 彰祐
システム営業本部
FS営業2部 部長
兼 海外ビジネス営業部 部長
 海外現地法人で不正が起こりやすいのは、PCなどの備品が退職した従業員に持ち去られたり、在庫の品物などが減っていたりというケース、すなわち資産の不正流用だ。また、財務諸表の不正として、例えば本来なら費用として計上すべきものを有形固定資産として処理し、その減価償却により利益の水増しを図るなどのケースもある。

 「実際、中国やASEAN諸国などを中心に、日本では『ありえない!』と思えるようなことが起こり得る。そもそも従業員の意識が違っていて、会社のPCなどは『自分がもらったもの』と思っている人もいるという話も聞く」と木本部長は話す。

 資産の不正流用は、額面上では不正経理に比べると小さいとはいえ、実際に頻発しており、ガバナンスの問題が問われることから対策は不可欠だ。

 また、近年、日本企業の海外子会社における不正会計問題の増加に起因し、金融庁傘下の公認会計士・監査委員会は2017年度のモニタリング基本計画で、海外事業も含めた企業の実務実態を踏まえた具体的な評価の必要性を指摘。監査法人と上場企業には早急な対応が求められている。

 「こうした不正会計事案が近年目立つようになってきたため、金融庁はその監査強化を監査法人に指導しており、海外子会社の内部統制の評価がきちんと行われるようになってきている。企業は監査対応の面でも、海外子会社のガバナンス強化を急ぐ必要がある」と藤田リーダーは説明する。
 

財務諸表不正に「固定資産管理」 資産不正流用には「現物管理」

藤田 友秀
システム営業本部
海外ビジネス営業部
海外ビジネスG リーダー
 とはいえ、海外子会社には日本の本社から目が届きにくいのも事実だ。そこで役立つのが、プロシップの海外対応ソリューションだ。資産の不正計上対策としては、総合固定資産管理ソリューション「ProPlus Fixed Assets Suite」があり、一方、資産の不正流用に対しては、現物管理ソリューション「ProPlus Pit」を提供している。

 ProPlus Fixed Assets Suiteは、国産パッケージとして唯一、海外24カ国の税務に標準で対応している。日本と海外子会社で共通のシステムとして使うことができ、日本から随時オンラインでチェックできるようになる。

 「いちいち日本人を現地に派遣せずとも、資産計上が適切に行われているかを確認できる。そして、『見られている』ということが、現地の経理担当に向けた不正の抑止力にもつながる」と木本部長は話す。

 もう一つのソリューションであるProPlus Pitでは、会計用の固定資産台帳とは別に現物管理用の台帳を管理することができる。このソリューションの特徴はクラウドサービス(SaaS)として提供され、専用アプリによりスマートフォンで現物を管理するという点にある。現場での使い方は、資産ラベルに印刷したバーコードをスマホのカメラで読み取るだけだ。あとはシステム側でリアルタイムに更新処理を行ってくれる。

 「ProPlus PitはRFIDにも対応した実績があるが、まだコストが高くつく。バーコードラベルならコストを抑えられ、より多くの資産の管理に使える。手間がかからないので頻繁に確認作業を行うことができ、仕事のやり方も平準化と効率化を図れる。また、クラウドなので日本からリアルタイムに把握できる点も有効だ」と藤田リーダーは話す。
 

資産把握の必要性はさらに高まる

 前述のように、グローバルにビジネスを展開する企業にとって、海外子会社のガバナンスは今まさに重視すべき課題の一つだ。まずは、その重要性をしっかりと認識してもらうことが重要となるだろう、と木本部長は語る。

 「海外子会社への監査強化については、昨年頃から話題だが、実際に不正が発覚した企業とそうでない企業とではかなり温度差があるように感じる。その一方、ROA(Return On Asset)という経営指標も2年ほど前から注目されてきており、その観点からも資産を正確に把握する必要性が高まっている」

 前述した二つのソリューションのうち、とくにProPlus Pitは、SaaS製品のため導入のハードルも低い。資産管理の重要性が今後、企業の間で高まっていけば、パートナー企業にとっても、こうしたソリューションがドアノック商材の一つとして有用になってくるだろう。