独立系SIer大手の日本ビジネスシステムズ(JBS)は、本社の移転を機にフリーアドレス制を導入した。営業やエンジニア部門では最新のモバイルPC導入とフリーアドレス化が浸透したものの、人事や総務などのバックオフィス部門はそれらの導入が難しいと考えられ、従来通りデスクトップPCを継続利用していた。しかし2018年、一層の働き方改革推進が必要となり、他部門同様、バックオフィス部門にもモバイルPCを導入することを決定。当初は現状維持を望む声があったものの、マイクロソフトの「Surface Pro」と「Surface Laptop 2」を導入した結果、使いやすさとデザイン性の高さに加え、業務効率の改革にもつながるなど、バックオフィス部門では「もうデスクトップPCには戻れない」と高く評価している。

懐疑的だった現場が導入後に激変

働き方改革にはモバイルPC

 「バックオフィス部門の社員は決まった場所(固定席)にいるもの」。働き方改革への取り組みに注力していたJBSでも、バックオフィス部門に対する社内の認識は「固定席=モバイルPCは不要」というものだった。確かに社内にいることの多い社員にとっては、固定席だと空席を探す必要がなく、同部門の社員の居場所が把握しやすいなどのメリットがある。しかし、それがデスクトップPCで十分ということにはならない。
 
(左から)日本ビジネスシステムズ 人事部 松井友明部長、
日本ビジネスシステムズ 営業統括本部営業サポート室 稲毛深雪氏

 「働き方改革を推進していくに当たり、オフィス内のフリーアドレス化を実施し、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を採用するなど、より生産性と可用性を重視した制度設計を導入してきた。こうした取り組みを生かすには、バックオフィス部門でもモバイルPCが必要だと考えた」と、人事部の松井友明部長は語る。

 社内の会議では、デスクトップPCであるがゆえにモバイルPCを持ち込めないバックオフィス部門の社員のために、印刷物を用意する必要があった。営業統括本部営業サポート室の稲毛深雪氏は、「打ち合わせは頻繁に発生するにもかかわらず、営業サポート室の社員は、筆記用具を持って参加しなければならず、会議参加への不便さを感じていた」と当時を振り返る。

 また、バックオフィスを支える社員が自宅での作業を必要とするケースにおいては、自宅のPCから社内にアクセスする環境を提供することで対処してきた。しかし、アクセスに時間がかかるなど、使い勝手がいいとは言えない状況だった。
 
営業サポート室に導入されたSurface Pro。
「Surface Dock」と大型モニターも1人1台で割り当てた

 これらの状況も考慮した働き方改革を推進した結果、JBSはバックオフィス部門のデスクトップPCをモバイルPCへと切り替えることにした。導入したのは、マイクロソフトのSurface ProとSurface Laptop 2である。

持ち運びが気にならない軽さ

 JBSのバックオフィス部門がSurfaceの採用を決めた理由に、Surfaceの機動性と、同社が社内標準として採用している「Microsoft 365」との親和性の高さが挙げられる。

 女性社員が多い営業サポート室としては、採用するPCは「持ち運ぶことができ、かつ軽量であるということ」は重要だった。

 実際にSurfaceが導入された現在、「軽ければ軽いほどいい。Surfaceは雑誌感覚でカバンに入れて持ち運ぶことができ、ストレスを感じない。また、洗練されたデザインも、持ち運びへのモチベーションを上げてくれる」と、稲毛氏は評価している。また、起動が速く、隙間時間でも作業ができるため、時間の使い方が変わったという。

 場所に依存しない、生産性が高い働き方を可能にするにはセキュリティへの対応も欠かせない。「Microsoft 365 E5を採用しているJBSでは、Windows 10 Enterpriseによってデバイスは常に最新の状態に更新されている。Defender ATP、 Azure AD Identity Protectionなども導入しており、ユーザーはセキュアにOffice 365を利用できる。モバイルワークが先行していた営業やエンジニアといった部門がこの環境の恩恵を受けていたが、これらの先行経験はバックオフィス部門での働き方改革実施に当たって威力を発揮した」と松井部長は語る。

会議への参加意識に変化

 これまで営業サポート室の社員がオフィスを離れている場合、営業部門の会議などに参加できなかった。しかしSurfaceの導入により、その問題が解消されることになる。

 「Surfaceは、インカメラやマイク、スピーカーの性能が高いため、リモートでも社内の会議に違和感なく参加できる。そのため、会議に参加できないと自分のキャリアに影響するという心理的なストレスから解放された。また、会議にSurfaceを持っていくことで、他の部門と同等の立場との意識が強くなり、主体的に会議に参加できるようになった」と、稲毛氏は営業サポート室内の意識の変化を説明する。また、会議で用意していた紙の資料が不要になり、社内のペーパーレス化も進んだ。Surface導入前の営業サポート室内では「デスクトップPCで十分」との声もあったが、これらのメリットを実感し、導入後は「Surfaceの支持」に変わったという。

 人事部の活動にもSurfaceは効果があると松井部長は実感している。「学生は、面接の現場で企業のさまざまな部分を観察している。使用しているPCも、その観察される部分の一つ。Surfaceの洗練されたデザインは、企業イメージの向上に貢献している」。JBSは積極的な採用活動に取り組んでおり、人事部員は外出する機会も多い。Surfaceによる企業イメージの向上は、人事部員のモチベーションアップにもつながっている。