一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)が2013年に立ち上げた、パッケージソフトウェアやクラウドアプリケーションの品質を評価・認証する「PSQ認証」制度が、さらなる普及や認証制度の価値向上に向けた進化を遂げようとしている。認証の種類を拡大するとともに、JIS化対応の検討なども進めているという。日本初の業務系ソフト認証制度であるPSQ認証の価値、メリットや今後の展開への期待などを、CSAJでPSQ認証制度委員会委員長を務める藤井洋一理事(日本ナレッジ社長)と、PSQ認証制度の“ヘビーユーザー”であるフォーラムエイトの伊藤裕二社長に語り合っていただいた。

ソフトウェアの品質を可視化する「PSQ認証」
さらなる普及や制度の価値向上へ新展開

既に53製品でPSQ-Lite認証を
取得したフォーラムエイト


――まずは藤井理事から改めてPSQ認証制度の趣旨をご説明いただけますか。

藤井 ソフトウェアの品質を可視化するために認証制度が必要だという議論はCSAJ内で2010年ごろからありました。CSAJの会員は小さなソフトメーカーが多く、良いソフトをつくって大手企業に売り込もうとしても、品質は大丈夫なのかといわれてしまうようなケースもあったんです。彼らを支援する仕組みをつくりたいと考えていました。
 
CSAJ 藤井洋一理事

 ちょうど同じ時期に、国の指示で情報処理推進機構(IPA)でもソフトウェアの品質監査制度の検討が始まり、その成果として2013年に「ソフトウェア品質説明のための制度ガイドライン」が発表となりました。このガイドラインに基づき、ソフトウェアの品質に関する国際規格「ISO/IEC25051」に準拠してPSQ認証制度を立ち上げました。制度はCSAJ会員に限らず、広く第三者認証制度として利用してもらえるものになっています。

――制度の現状はいかがでしょうか。

藤井 財務会計や販売管理など対外的な信用が重要になる基幹系業務ソフトパッケージから利用が進み、現在では本当に幅広い種類の製品で認証が取得されるようになってきました。また、制度の認知度と普及を拡大させる新たな施策として、昨年10月に簡易認証版の「PSQ-Lite」を新設しました。従来のPSQ認証「PSQ-Standard」は評価機関によるドキュメントベースの第三者認証ですが、PSQ-Liteは認証機関での第三者認証を行う簡易制度です。この新制度をフォーラムエイトにいち早くご活用いただき、53製品でPSQ-Lite認証を取得されています。同社はPSQ-Standardも既に6製品で取得されていて、品質管理の基本的な考え方が分かって申請書類を作成しています。そのベースがしっかりしているので、PSQ-Liteも存分に活用していただけています。

伊藤 当社は、CADやVR、FEM解析などのソフトを主力としていますが、もともとPSQ認証制度の開始に大賛成でした。土木の設計などでは瑕疵担保責任があり、ソフトの不備が原因で安全性に問題のあるものができてしまったりすると、莫大な賠償が発生する可能性もあります。自分たちで管理の仕組みをつくるのは大変で、第三者認証の仕組みはソフトメーカーにとってありがたいことです。
 
フォーラムエイト 伊藤裕二社長

 当社は、製品ラインアップが非常に多く、それほど販売数が多くない製品も中にはあります。そうした製品は、品質管理のためにかけられるコストも限定されてしまうわけですが、それでも社会インフラの設計に使う重要なソフトだったりします。PSQ-Liteは、そうした製品群に品質認証の網をかけられるという意味で、待ち望んでいた制度でした。

PSQ-PremiumのJIS化で
認証の価値をさらに高める

――PSQ認証がベンダーの影響力をさらに高めているということですね。

藤井 PSQ認証を積極的に取得しているベンダーは、海外市場で成長しようとしているケースが多い。特に、東アジア、東南アジア圏では日本の製品が高品質だと認識され、第三者認証でビジネスがスムーズに進みます。フォーラムエイトも、海外でのビジネスが好調だとうかがっています。

伊藤 PSQ認証を取得は、海外での受注を後押しする側面があることに加え、社内の品質管理体制の整備が進むというメリットもあります。認証取得前は、社内のテストドキュメントが不足しているなどの課題があったのですが、適切な品質管理の手順で抜けているところを指摘していただき、改善できるというのは大きいです。特に、品質への厳しい要求がある当社のようなビジネスでは、事業そのものに直結している制度といえます。

――PSQ認証制度の今後をお聞かせください。

藤井 JIS基準がサービスやソフトウェアにも適用できることになりましたので、制度設計中の最上位の認証制度「PSQ-Premium」(実機テストを含む認証)はJIS化を念頭に置いています。JISマークを適用すると国際基準の相互認証の対象になりますので、海外でも広く通用します。ニーズを見極めながらではありますが、国内外で認証の価値が高まるような取り組みを今後も進めていきます。
 

フォーラムエイトのPSQ認証取得製品

UC-win/Road


2002年ソフトウェア ・プロダクト・オブ・ザ・イヤー受賞。土木・建築、都市・交通等の計画や、自動運転研究・車両開発など、情報システム全般で豊富な活用実績を有する3次元バーチャルリアリティソフト。日照・天候・交通流・運転など多様なリアルタイムシミュレーションに対応している。パッケージ機能により、ドライブシミュレータをはじめとしたVR連携システムを短期間かつ高いコストパフォーマンスで構築可能。

対応OS Windows 10/8/7
価格 UC-win/Road Ver.13 Ultimate  ¥1,920,000(税別)
   UC-win/Road Ver.13 Driving Sim  ¥1,280,000(税別)
   UC-win/Road Ver.13 Advanced  ¥970,000(税別)
   UC-win/Road Ver.13 Standard  ¥630,000(税別)
PSQ-Standard 認証を2017年6月に取得(Ver.12)
 

Engineer's Studio


実大三次元振動破壊実験施設 破壊解析コンテスト(2010年)優勝、危機管理デザイン賞受賞(2013年)。フォーラムエイトがプレ処理~計算エンジン~ポスト処理まで全てを自社開発した3次元積層プレート・ケーブルの動的非線形解析ソフトで、世界最高水準のコンクリート解析理論前川モデルをサポート。構造物の部位を1本棒に見立てたはり要素や平面的に連続した平板要素でモデル化して、構造物の非線形挙動を解析できる。

対応OS Windows 10/8/7
価格 Ultimate ¥2,180,000(税別)
   Advanced ¥1,100,000(税別)
   Lite ¥570,000(税別)
   Base ¥369,000(税別)
PSQ-Lite 認証を2019年7月に取得(Ver.9)
 

基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)


震度法、保有耐力法による計算、部材の設計をサポートし、詳細設計レベルで様々な基礎形式・工法の検討が可能。地層・作用力データを共有し、3面図表示によるデータ確認、図を交えた結果表示、「基準値」機能をサポート。各基礎工の設計調書、異種基礎の比較表の出力が可能。杭基礎では、鋼管ソイルセメント杭を含む13種の杭種に対応。各種工法をサポートし補強設計(増し杭)にも対応。

対応OS Windows 10/8/7
価格 Advanced ¥530,000(税別)
   Standard ¥421,000(税別)
   Lite ¥284,000(税別)
PSQ-Lite 認証を2019年8月に取得(Ver.3)
 

UC-1 Engineer's Suite 積算


国土交通省土木工事積算基準、単価検索(データベース)、施工パッケージ型単価対応。積算の基本機能を網羅し、フォーラムエイトの設計計算ソフト「UC-1エンジニアスイート」シリーズとの連携を強化し、材料(コンクリート、鉄筋、型枠など)の各種数量を取り込んで単価と結びつけ、スムーズな積算が可能。積算結果の電子納品に対応(Excel、Word、PDF等に形式変換)。

対応OS Windows 10/8/7
価格 Standard ¥600,000(税別)
   Lite ¥300,000(税別)
PSQ-Lite 認証を2019年8月に取得(Ver.12)