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Dell Technologies、AMDの第2世代EPYCを搭載した新設計の「PowerEdgeサーバー」を発売

2019/10/17 09:00

週刊BCN 2019年10月14日vol.1796掲載

 「Dell EMC PowerEdgeサーバー」は、世界のx86サーバー市場で7四半期連続で世界シェアNo.1を獲得(出荷金額&台数)している。そのPowerEdgeサーバーに、このほどAMDの第2世代EPYCプロセッサ「EPYC 7002」を搭載した5モデルが加わった。EPYC 7002用に新設計されたPowerEdgeは、CPUの性能を最大限に引き出すことで、最適なワークロードの用途を拡大する。発表した新製品にはこれまでにない反響が寄せられたという。

岡野家和
ISG事業統括製品本部
シニアプロダクトマネージャー

CPUの性能を最大限に引き出し
さまざまなワークロードに対応

EPYC 7002に完全対応した
Rome on Rome


 AMDは、今年8月7日に開発コードネーム「Rome」として開発してきたデータセンター向けプロセッサ「EPYC 7002シリーズ」を発表した。2017年にリリースされた第1世代のEPYC 7001(コード名:Naples)が製造プロセス14nmを採用していたのに対して、サーバー用で世界初となる7nmの「Zen 2」を採用。チップレットとしてモジュラー化された8個のCPUダイにより、1ソケット最大64コア/128スレッドを実現している。

 また、1サイクル当たりの命令数の向上や、20%高速化したメモリ、ファブリックI/Oの高速化など、総合的にパフォーマンスを向上させたという。実際、64コアのEPYC 7742を搭載した1ソケットのPowerEdgeサーバーが、32コア搭載の前世代モデルより2.8倍高い仮想化DB性能を出しているベンチマークが公開されている。
 
 


 「Romeの大きなポイントは、コア数倍増による並列処理性能の向上、高速なインメモリ性能、データアクセスを高速化する強大なI/O性能だ」と、ISG事業統括製品本部の岡野家和氏は前置きした上で、次のように語る。「ただし、EPYC 7002の性能をフルに引き出すには、サーバー側が新アーキテクチャーに対応していなければならない。旧来のEPYC 7001用のシステムボードを利用する、いわゆる『Rome on Naples』でEPYC 7002を提供する場合は、3200MHzメモリもPCIe Gen4も使えず、また従来比で60%高速化したCPU間通信『xGMI-2』に非対応で、さらに7002シリーズの最上位CPUの提供もない。PowerEdgeサーバーは、EPYC 7002用にマザーボードを新設計した『Rome on Rome』で五つの新製品を提供する」という。

 EPYC 7002を搭載した新製品は、1ソケットのR6515とR7515、2ソケットのR6525とR7525、2S×4ノードのC6525をラインアップする。なお、R7525のみ来年の出荷になる予定だが、他のモデルは既に国内出荷の実績もあるという。

 Naples搭載モデルは3モデルだったが、今回ラインアップも増えて基本性能が大幅に向上したことで、適応できるワークロードの幅も拡大。仮想化やVDIをはじめ、HPC、SDS、NVF、さらに膨大なデータ解析でも、並列処理性能やインメモリ性能、I/O帯域での高速のデータロードが生きてくる。

 「SDSでは、HCIのオファリングを強化して、vSAN Ready NodeのみだったEPYCサーバーでも新たにDell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCIを提供する。HPCでも既に、Dell EMC Ready Solutions for HPCに今回の新サーバーをすべて採用済みだ。」と岡野氏は語る。

運用管理を自動化する
OpenManage Enterpriseが進化


 PowerEdgeサーバーの特長の一つが、洗練されたコントロールと管理タスクのインテリジェントな自動化だ。これはPowerEdgeサーバーに内蔵されたサーバーライフサイクル管理チップの「iDRAC9」と、サーバーの運用管理向けに提供している無償のシステム管理ツール「OpenManage Enterprise」との組み合わせで実現する。OpenManage Enterpriseでは、サーバーのデプロイ、アップデート、監視、メンテナンスまでを一つの管理画面で統合的に行える。

 OpenManageは機能拡張されており、サードパーティーのコンソールを介した監視と管理、PowerEdgeサーバー製品と周辺機器の包括的なアップデート、モバイルデバイスを介したリモート管理が可能。「Microsoft System Center」をはじめ、マイクロソフト環境で利用者が急増中の「Windows Admin Center」へのプラグインを提供しているため、PowerEdge サーバーの最も詳細な管理と自動化がマイクロソフトのコンソールから一元的に可能となっている。

 「また、Windows Server 2019の標準機能でHCIを構成するMicrosoft Azure Stack HCIが増えている。HCIと従来型サーバーとのシームレスな管理が求められており、OpenManageのWindows Admin Centerプラグインで容易に実現できる」と岡野氏は強調する。
 
Windows Server 2019:
The operating system that bridges on-premises and cloud.
AMD製サーバーに関するアンケート
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_dell1017
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外部リンク

Dell Technologies=https://www.delltechnologies.com/ja-jp/index.htm