今年7月1日に設立5年を迎えたVAIO。かつては、洗練されたデザインとブランド戦略から個人向けPCのイメージが強かったが、現在、VAIOの成長を支えているのは法人向けPCだ。事実、VAIOの事業は順調で2018年度の営業利益が前年比で約40%増の大幅増益を記録、過去最高益を達成している。各社がしのぎを削る厳しい競争状態の中、なぜVAIOの法人向けPCの販売は好調なのか。BCNが企業のPC管理者を対象に実施したアンケートから、VAIOの強さの秘密を探った。

品質に強くこだわり、相反する命題を両立

 VAIOのPC販売台数に占める法人向けPCの割合は72%(2018年度台数ベース)。法人向け事業の成長率(台数)は、前年比34%増を記録した。また、キッティングサービス利益成長率も、前年と比べて3倍以上となった。

 ビジネスの現場では、個人向けPCよりも利用頻度が高く、壊れず快適に利用し続けられることが必須。しかも、モバイルPCではさらに要求レベルが上がる。この市場ニーズにしっかり応えてきたことが、VAIO躍進の背景にある。

 BCNの調査では「5大トラブル」(起動・電源、キーボード、液晶画面、バッテリー、Wi-Fi接続)に関して、VAIOのPCユーザーは「発生していない」率が他の7社と比較して最も高かった。しかも、発生率自体が前回調査よりも改善している。

 調査結果をVAIOに問うと、「製品開発、設計、製造、出荷に至るまで一貫して品質にこだわり続けてきた当社として、当然の結果と捉えている」という答えが返ってきた。
 実際、品質試験では、90cm(6面)落下試験で堅牢性を追求するだけでなく、データや電源部を確実に保護すべく、本体ひねり試験を実施している。VAIOの底面は、他社PCよりもねじ止めが多いが、保守サポートのし易さだけでなく、ねじ位置を最適化することで剛性の強化にもつながっているという。

 液晶も、加圧試験で直接力が加えられても壊れにくい構造を追求したり、ペンを挟んだまま液晶を閉じてしまった場合の耐久性を追求するなど、実際のユースケースを想定したさまざまな品質試験を実施している。キーボードも、キートップが外れにくく、ごみやホコリが内部に入り込みにくい構造だ。

 法人向けモバイルPCには、堅牢である一方で軽量・薄型という相反する命題の両立が強く求められる。設計の工夫はもちろんだが、キーパーツの半数以上を国内メーカーと開発・調達することで、VAIOはこの難題を解決させている。
 例えば、液晶画面が大型化して狭額縁となると天板の剛性確保が難しくなるが、天板に東レと共同開発した「UD(Uni Directional)カーボン」素材を採用するなど、軽量化と堅牢性を両立させた。

 Wi-Fi接続でも、天板の上部に内蔵するアンテナをシリーズごとに最適となるように新規設計し、通信感度を高めた。その設計の一翼を担うのがEMCサイト。長野県安曇野市にあるVAIO本社工場のEMCサイトは、電磁ノイズや各種無線の設計評価を行う設備が集結する施設で、他社から利用の申し出があるほどだという。

 そして、全てのVAIOは本社工場で約50項目に及ぶ品質チェック「安曇野FINISH」が徹底され、専任の技術者が一台一台、丁寧に仕上げて出荷される。

 「VAIOは、決してコモディティ製品ではない」という言葉にも強い説得力がある。

モバイルワーカーの使い勝手を追求

 VAIOの利用を特に勧めたいのが、モバイルワーカーだ。薄型の本体ながら、VGA・HDMI・USB Type-Cなど新旧両端子も搭載し、あらゆる状況に対処できる。キーボードはタイプ音を抑えた静寂仕様で使う場所を選ばない。コンパクトな12.5型モバイルノートでもフルキーピッチのキーボードを搭載しているので、入力作業もはかどるだろう。キートップは、UV硬化塗装で印字が消えにくく、毎日長時間使用する法人ニーズに応えた仕様だ。

 BCN調査でも、「本体のデザイン性」「精巧なつくり」「キーボードの打ちやすさ」で最高評価を獲得。VAIOの魅力は、モバイルワーカーに深く浸透している。