中国のIT企業として最大手に位置するパクテラ・テクノロジー・ジャパン(パクテラ社)。JBCCホールディングスの子会社で、中国に進出する日系企業のIT活用をサポートする佳報(上海)信息技術有限公司(JBCN上海)は、このほど同社と協業し、パクテラ社のIoTプラットフォーム「Pactera OctoIoT」の拡販を推進していく。協業の背景とPactera OctoIoTによるビジネス展開について、JBCN上海の久保亨・董事長総経理とパクテラ社の張聰・常務執行役員に語ってもらった。

中国企業として
圧倒的なネームバリュー

久保 まずは、改めてパクテラ社の事業展開について教えてもらえますか。

Wander パクテラは世界60の国や地域でITサービスを提供するグローバル企業で、ITサービスの分野では中国企業としてトップを自負しています。

久保 現在、日本を中心にアジア・パシフィック地域をグループの戦略的エリアにされているそうですね。

Wander パクテラのアジア・パシフィックビジネスグループは、日本、シンガポール、香港を中心に約11拠点を有しています。日本では製造業と金融にフォーカスしており、今回のJBCNさんとの提携を機に、中国に進出する日本企業に向けたビジネスを、もう一つの柱にしていきたい。JBCNさんが、当社をパートナーとしてビジネスを推進していくと決めた背景には、どのようなねらいがありましたか。

久保 設立からちょうど10年となり、事業の過渡期を迎えていました。中国でビジネスを展開するにあたり、IoTやAIなど新分野への対応が遅れており、戦略的に取り組まなければ生き残れないという危機感から、パートナーを探していました。パクテラさんは中国企業であり、圧倒的なネームバリューと各分野の豊富な実績を持っている点に着目しました。当社も製造業のお客様が圧倒的に多いことから、ぜひ、協業させていただきたいとアプローチして、パートナーシップを構築することができました。

OctoIoTと生産管理の連携で
メリットが真に活きる

Wander お客様の課題をどう捉えていますか。

久保 大手に加え、中堅・中小企業でもモノづくりの海外移転が進む中で、工場や設備の効率をいかに高めるかという課題と、設備をしっかり保全し日本からも進捗を管理したいというニーズが高まっています。その点でも、中国と日本にしっかりとした拠点を持ち、双方で多くのお客様を持つパクテラさんと協業できることは大きなメリットです。

Wander Pactera OctoIoTは、異常監視、故障予測、履歴管理などの機能を集中監視・解析でき、日本からリモートで中国の各工場の稼働状況を一元管理して、見える化することが可能です。まさに製造業のお客様のニーズにマッチするソリューションです。

久保 当社は、単にOctoIoTを販売することは考えていません。そのメリットを真に活かすには、生産管理など既存システムとの連携が不可欠です。つなぐというSI技術こそ当社の強みを発揮できる点であり、現在、注力して取り組みを進めています。

Wander 中国のメーカーの多くは、2~3%という非常に少ない利幅でビジネスを行っています。そのため設備稼働率や不良品率のわずかな改善でも、大きく利幅が改善する。OctoIoTで利幅が数倍にアップした例や、省エネ化で数百万円単位のコスト削減を実現したようなケースも数多い。JBCNさんでも近々、導入例が誕生するようですね。

久保 協業による成約ファーストユーザーは、決定目前となっていた他社の提案をひっくり返してまで採用していただきました。これをモデルケースに展開していきたいと考えています。

Wander ただ、日本企業の場合、日本の本社に報告、確認して、結果が返ってくるまでにかなりのタイムラグがあり、どうしても案件の成約までに時間がかかる。

久保 そうですね。また、お客様ごとに異なるニーズも、コンサルを通じてしっかりと把握し、私たちが持つSIの力により解決していきます。そのためにも早期に多くの事例をつくりたい。OctoIoTなら迅速かつ安価にPoCが可能なので、お客様には、中国をトライアルの場と位置付けて、まずはやってみませんかという提案を行っています。

Wander 私たちもお客様が提案を取り入れやすいように、デモセットを用意しています。中国での豊富な事例があるので、お客様に工場を実際に見てもらうという取り組みを進めています。それが、どんな資料を見せるよりも一番効果的です。

久保 すでに設備機器、部品、アパレルなど、さまざまな分野のメーカーからの問い合わせがあり、近々具体的な事例として紹介できるようになると思います。さらに、一工場での案件から、クラウド化による広域での展開を目指します。

Wander IoTで設備や工場の見える化が実現すれば、お客様の新たな課題も見えてきます。それをアップセル、クロスセルへと結び付けていきたいですね。

久保 日本のお客様が懸念されることの一つがサポートです。パクテラは中国全土に多くの拠点を有し、各拠点からフィールドサービスを提供できる。それは大きな強みで、アピールポイントになっています。

Wander JBCNさんはJBグループを背景として、大手だけでなく多くの中堅・中小企業にも経験と実績がある。さらに、われわれが次のターゲットにしている東南アジアにも拠点を持っているので、連携してビジネスを拡大していきたい。その意味で当社にとってはベストな関係だと言えます。