ワークフロー専業ベンダーのエイトレッドは、「X-point(エクスポイント)」と「AgileWorks(アジャイルワークス)」を柱とするワークフロー製品を提供し、累計で2700社以上への導入実績を持つ。さらに、ワークフロー製品単体ではなく、パートナーと共にグループウェアやERP、文書管理、RPAなどとの連携強化で、提案の幅を拡大していこうとしている。「マーケットリーダーを目指す」と宣言する岡本康広社長と青木健一・執行役員営業部長に話をうかがった。

専業ベンダーならではの
企業文化を熟知した製品開発

 働き方改革の一環としてペーパーレス化を推進して業務効率化を図り、生産性を向上させていく上で、ワークフローシステムは切り離せない存在だ。そのワークフロー市場において、常にトップのポジションを競い、注目を集めているのがエイトレッドだ。
 

 同社は、2003年にリリースした中小・中堅企業向けの「X-point」、09年にリリースした中堅・大企業向けの「AgileWorks」、そしてX-pointのクラウドサービス「X-point Cloud」(11年)といった製品を提供。累計で2700社を超える国内企業に導入した。

 「ここ数年、毎年300社超のペースで導入が増えている。最近、X-pointを導入していたお客様が、事業や規模の拡大からAgileWorksに乗り換える事例も増えている」と岡本社長。
 
岡本康広
代表取締役社長

 エイトレッド製品がユーザーから強く支持を得る理由は、同社がワークフロー専業ベンダーとして、日本の企業文化を熟知して開発しているためだ。

 それぞれの製品の特徴を見ていこう。

 まず、AgileWorksは大企業での利用を想定し、マルチカンパニーの組織改編や統廃合に対応。多数の部門での運用、長く複雑な決裁フロー、入れ替わりの多いユーザーの閲覧権限管理、内部統制対応といった大規模組織ならではの課題を標準機能で解決できる。外部アプリケーションと連携し、社内のさまざまな決裁プロセスの統合も可能となっている。

 青木部長は、「複数の人事システムとも連携ができる設計になっており、人や組織・役職や所属に関するデータのみならず、申請フォームや承認ルートを履歴として持つため、未来の情報として先付けメンテナンスが可能で、システムを止めずに運用することができる。最近では、製造業や建設業などの人手不足に悩む業種での導入をはじめとし、学校法人や公共団体での導入が目立つ」と語る。
 
青木健一
執行役員 営業部長

 一方、X-pointは中小企業向けに分かりやすさを第一に、書類の回付を容易に電子化する。

 「まるで紙の伝票や書類に書き込むように入力できる。ユーザーが申請フォームを自由に作成し、ブラウザー上で紙の帳票イメージを再現でき、ITリテラシーに左右されずに使いこなして、意思決定のスピードを上げて精度を高めることができる」と青木部長。

多様な連携で多くの課題を解決し
市場そのものを拡大する

 19年6月にトップとして指揮することとなった岡本社長は、「パートナー支援」と「使い方の提案」の掛け合わせを基本戦略に据えて、「ワークフローシステム市場のマーケットリーダーになる」ことを明言する。そして、経営理念でもある「人と人のつながりを創り続ける」を訴求していく。これは言い換えれば、パートナーとの関係性をより密にしていくことだという。

 「当社は基本的にユーザーへ直接販売をせず、パートナー販売でビジネスを展開している。それだけにパートナーの方々との関係をとりわけ重視していく。現在、直接取引を行っているパートナーは30社ほどだが、今後はさらに拡大していきたい。ただし、単に数を増やすのではなく、当社と共に市場を拡大していける方々と組みたい」と岡本社長。

 自ら率先して新規リードを獲得し、パートナーにビジネス機会を提供している。同社は、サポート部門と営業部門に最も多くのメンバーを配置し、戦略的な販売企画の立案から、製品トライアル時の評価支援、導入後の手厚いケア、さまざまな情報提供やトレーニングなど、一貫してパートナーをサポートしている。売れる仕掛けづくりの具体例としては、商談のエンゲージメントやトライアル専任コンシェルジュがある。

 青木部長は、「これまでに蓄積してきたノウハウなどを基に、パートナーと共にお客様の課題解決を提案し、共同で案件に向けた提案を行っている。また、お客様に製品をトライアルしていただいているところから、当社の専門メンバーがしっかりとサポートすることで、お客様に効果を実感していただいている。その結果、成約率が大幅に高まっている」と自信をみせる。

 すでに同社は、ワークフローシステム市場のリーダーの一角を占める存在だが、業界では当たり前のワークフローという言葉も、ユーザーにそこまで認知度は高くないという。ギャップを埋めるため、さまざまな機会を捉えてマーケティング活動を展開していく。

 岡本社長は、「ワークフローシステムは業種・業態を問わず汎用性が極めて高い製品だ。また、一度導入すると、グループウェアやERP、文書管理、RPAなど他システムやサービスとの連携が増すので、簡単に乗り換えられることがない。その特性を生かした新しい使い方を今後も考案していく。そのためISVとの協業や異業種とのコラボレーションの機会を増やし、市場の拡大にもつなげていきたい」との考えを示す。

 また、パートナー制度の見直しも行っていく方針で、「新旧を問わず、当社の考えに共感し、市場の拡大、製品の拡販に向けて腰を据えて取り組んでいただけるパートナーの方々に対して、フェアに、メリハリをつけて、しっかり還元していく」との方針を示す。