見かけはスマートフォン(スマホ)だが、ビジネス現場で業務用ハンディターミナルとして使える――。カシオ計算機が2019年12月にリリースした「ET-L10」は、堅牢性が高く、業務にぴったりの端末だ。落下強度は1.5mで、手持ちの位置から落としても問題ない。カメラとは別にスキャナを内蔵しているので、バーコードやQRコードを高速に読み取ってスマホアプリやウェブアプリに取り込むという使い方が可能だ。


 「最近の市場動向を見て、最適なハンディターミナルを作らなければと考えた」。製品企画を担当した営業本部システム企画推進部国内推進室の関口貴之氏は、「ET-L10」について、こう述懐する。

 きっかけとなったのは、普通のスマホを業務用に使う企業が増えているという調査結果だった。「そもそもハンディターミナルの存在が知られていなかったり、『ハンディターミナルは重い』『アプリの開発が難しそう』といったイメージを持たれていたり、ということが分かった」と関口氏は話す。そこで、スマホの良さとハンディターミナルの良さを併せ持つET-L10を企画したのだという。
 

 事実、ET-L10のサイズは幅約79×奥行き162×高さ15.5mmと一般的なスマホと同等。内蔵スキャナを含む重さは約240gに抑えられており、マルチタッチ対応タッチパネルのサイズも5.7インチと大きい。背面のカメラは1300万画素。正面のスキャナは、UPCやEANなどのバーコードのほか、スタック型コードやQRコードなどにも対応している。

 それでいて、ET-L10は業務用端末に求められるハードのスペックを完備している。例えば、落下強度は手持ち位置からの落下を想定した1.5m。防塵・防水性能がIP65準拠、動作温度がマイナス10度からプラス50度。さらに、耐薬品性能(消毒用アルコール75%対応)、4連集合充電器(オプション)などが特徴となる。

 また、スマホとの違いであるバーコードスキャナのデバイス制御については、ライブラリなどの細かい設定要素はあえて割り切り、内蔵スキャナを制御するための設定機能をAndroid OSに組み込んでいる。こうすることで、容易にアプリ開発が可能となっている。

 典型的な用途としてカシオが想定しているのは、流通・小売業での在庫確認や商品情報照会、医療機関での看護支援、製造業での現場支援など。より多くのソフトウェア開発企業にアプリを開発してもらおうと、同社は検証機の貸し出しや説明会開催といったサポート体制の充実にも力を入れている。