法人向けSI事業を手掛けるサードウェーブソリューションズは、2年前に取り扱いを開始したBIツール「Tableau」の販売が好調だ。DXへの取り組みを進めている企業が、同社が開催する無料入門セミナーをきっかけにライセンスを購入するケースが増加しているという。さらに、システム連携プラットフォームの「Magic xpi」やCRMの「Salesforce」を絡めたクロスセル、アップセルへとつなげて、ビジネス拡大を狙う。

無料入門セミナーで
ユーザーの悩みを拾う

 サードウェーブソリューションズは、サードウェーブのグループ企業として、SI、ネットワークインテグレーション、アウトソーシング、情報機器販売などの事業を組み合わせ、総合的なソリューションを提供している。

 Tableauの取り扱いを開始したのは2年前。「当時、DXに本格的に取り組もうと考えている企業から、SIビジネスに関連してデータ活用についての相談を頻繁に受けるようになっていた。その効率的な手段となり得るのが、Tableauと考えた。数あるBIツールの中からTableauを選んだ理由は、R&Dへの投資に積極的で、年間で4回もバージョンアップを実施するなど、常に最新の機能を取り入れようとしている点を評価した」と、DX推進室の藤樫太郎室長は語る。
 
藤樫太郎 DX推進室 室長

 Tableauの強みは、すぐに使用できる簡易性、自然言語による検索、最先端のグラフィック技術によるデータ表現力にある。また、昨年6月にはセールスフォースに買収されたことで、今後は両製品の連携がより深くなっていくとみられ、将来性の高さも魅力だ。

 「Tableauの取り扱いを開始した当初は、われわれもどうやって売っていくべきか手探りだった。一方、DXへの取り組みとして社内に眠る膨大なデータを活用したいと考えている企業は多いが、具体的に何をどうすれば良いのか悩んでいる企業も少なくないことが分かってきた。そこで、まずは無料のセミナーを実施してTableau自体を体験してもらうことから始めた」と藤樫室長は語る。

 Tableau無料入門セミナーでは、Tableauの導入を検討しているユーザーに向け、どう使うかではなく、何をするかに重きを置いた内容にしている。具体的には、Tableauとは、何に使うのか、導入フロー、ハンズオンによるダッシュボード作成までを120分を掛けて学ぶ。本格的に無料セミナーを開始したのは2019年4月。当初は毎週開催し、現在でも月に2~3回のペースで開催しているほか、データ活用やTableau導入後の運用についての無料相談会も開催している。

 「無料ということもあるが、非常に反響が大きかった。そのセミナーで生の声を聞けたことによって、DXへの取り組みを求められている現場の担当者が予想以上にデータ活用の課題を抱えているという実態を知ることができた。Tableauを使う目的とそのための具体的な手段が理解できるようになると、かなりの確率でライセンス購入に結び付く」としている。

Tableauを核に
クロスセルを目指す

 現在では、無料セミナーのほか、有償の初級、中級、分析(統計学入門)を開催している。なお、有償セミナーはライセンス購入者に特典として受講資格が付与される。また、Tableauのアップデートに合わせて製品の新機能などについて解説するアップデートスタディも開催しており、その場をユーザー同士の交流や情報共有の場として活用してもらっているという。

 また、導入支援サービスも提供。実務者にしっかり寄り添い、それぞれの業務に応じたアドバイスを行っている。

 「BIツールやTableauをまったく知らなかったユーザーでも、自分の業務においてデータを活用するメリットとそのための方法が分かると、取り入れてみたいというモチベーションが高まる。検討開始から、ひと月程度で本格的な活用を始めるユーザーも少なくない」と藤樫室長。

 Tableauの販売では、小売りなど多店舗を展開するユーザーが多い。規模は中堅企業が中心だが、大手企業がまず部門で導入して、その良さを認識することで追加ライセンスを導入するケースも出ている。さらには、競合製品からの乗り換えも目立つという。

 今後の販売では、データバンク系の企業など、データ解析を業務としている企業への販売とともに「東北地方への販売に力を入れる」(藤樫室長)方針を掲げる。同社は元々、東北地方に多くの拠点を持ち、東日本を中心にビジネスを展開してきた。また、Tableau Japanからもこれまで比較的、手薄だった東北地方での販売が期待されているという。現地でのセミナーも定期的に開催していく計画だ。
 

 「元々、当社はグループのSI自体も手掛けており、システム連携プラットフォーム『Magic xpi』を活用したグループ全システムの統合データベースを構築したこともある。そこでTableauだけでなく、Magic xpiやCRMの『Salesforce』を絡めたクロスセル、アップセルの提案など、本業であるSIビジネスにつなげて事業を拡大していきたい」と藤樫室長は抱負を語る。