2020年10月から12月にかけて、ネットワンパートナーズは米国シスコ本社とシスコジャパンの二つのアワードを受賞した。受賞理由は、この困難な時期に売り上げを伸ばしていることと、パートナーへのサポートが優れていることなど。この快挙の背景には、どのような取り組みがあったのか――。同社のキーマンに話を聞いた。

売上伸長率の高さで受賞、サポートや販売体制も評価

 シスコのネットワーク製品のディストリビューターとして知られるネットワンパートナーズは、日本企業として初の「2020 APJC Geo Award Distributor of the Year」を20年10月29日(米国時間)に受賞。12月10日には「Distributor Partner of the Year」も獲得した。

 「2020 APJC Geo Award Distributor of the Yearは、アジア・太平洋・日・中(APJC)地域で対前年の売上伸長率が高いディストリビューターを米国シスコ本社が選定して表彰するもの」と説明するのは、ネットワンパートナーズの金井朗子執行役員。Distributor Partner of the Yearの方は、シスコジャパンが選ぶアワードで、売り上げの伸びだけでなく、パートナーに提供されるサポートやディストリビューション体制の質なども評価ポイントになっているという。
 
金井朗子執行役員

 このダブル受賞をもたらした主な要因は、技術力・提案力・サポート力の高さだ。その技術力の源泉の一つとなっているのは、自前で運用している検証施設「テクニカルセンター」。この施設では、SEがシスコ製品を含むさまざまな機器間の相互運用性を検証する。セールスエンジニアリング部の細野康宏マネージャーは、「検証結果はパートナー様にお伝えして、パートナービジネスに役立てていただいている」と語る。
 
細野康宏マネージャー

 また、マルチベンダーソリューションを数多く持ち、それをパートナーに提案していることもネットワンパートナーズならではの強みだ。「当社は、シスコ製品をビジネスの核とし、加えて独自商材のラインアップもそろえている」と説明するのは、ビジネス開発部の中島弘マネージャー。提案内容は、パートナーの特性や事情に合わせて変えているほか、パートナー独自の商材/サービスとの組み合わせにも応じているという。
 
中島弘マネージャー

 さらに、ネットワンパートナーズはパートナーに対するサポートにも力を入れている。「販売前だけでなく、ユーザー企業に納入した後も障害対応などのサポートを提供する、というのが基本的な方針。こうしたやり取りを通じて、パートナー様と長期にわたり良好な関係を維持してきた」と中島マネージャーはいう。

パートナーにDevNetを紹介しながら技術サポート窓口を強化

 2冠の栄誉に輝いた後も、良いディストリビューターとなることを目指すネットワンパートナーズの取り組みは続く。

 その一つが、Cisco DevNetの普及促進を目指す支援活動だ。「ネットワーク技術者がソフトウェア開発の技術を習得することによりネットワークインフラの利活用の幅を広げ、ビジネスを大きくしていこう、というのがDevNetのコンセプト」と細野マネージャー。DevNetを活用すれば、パートナーが持つ独自のサービスもシスコ製品ベースのソリューションに容易に組み込めるのである。

 また、ネットワンパートナーズ独自の取り組みとして、セキュリティの現状と動向をパートナー向けに分かりやすく語るセキュリティエバンジェリストの活動も始まった。現時点でセキュリティエバンジェリストに任命されているのは、3人の現役SE。シスコとの共催セミナーなどの場で、ディストリビューターならではのプレゼンテーションをして好評を博しているという。

 マルチベンダーソリューションとしての拡充も、精力的に進められている。「セキュリティの領域では、シスコのほか、Palo Alto NetworksやFortinetなど複数の商材を扱っている。またMSPビジネスの推進に加え、この度ノキアとクラウド管理型ローカル5Gソリューションの国内初ディストリビューター契約を締結し、21年1月よりソリューション提供を開始した。ローカル5Gの利活用にも大きく貢献したいと考えている」と金井執行役員。ベンダーや商材の特性については、同社のテクニカルセンターにて、SEが中立的な立場で調べているので、案件のニーズに合った適切な提案をパートナーに提供できる。

 パートナー向けサポートについては、高度な問い合わせに対応する「TechDesk」が試験的にスタートしている。既存のコンタクトセンター「エキスパートオペレーションセンター(XOC)」がユーザー企業向け保守サポートを担当しているのに対して、TechDeskの方はパートナー向け専用の窓口という位置付け。設立の経緯を、中島マネージャーは「パートナー様はITやネットワークのプロフェッショナルなので、専用の窓口を別に設ける方がいいと判断した」と説明する。

 ネットワンパートナーズがディストリビューター事業を進める上で心がけていることとして、金井執行役員は「Time to Market」と「Close to Customers」の二つを挙げる。

 Time to Marketとは、海外の最先端の商材をいち早く見つけてパートナーに届けるということ。情報収集には、米国にあるネットワングループの現地法人を活用しているという。また、Close to Customersが意味するのは、パートナーが求めているものをよく理解して、それに見合った商材を探してくること。この二つを車の両輪としつつ、ネットワンパートナーズはネットワークとセキュリティの領域を軸に、最先端のICTソリューションを提供する最高のディストリビューターとなることを目指している。