BCN主催者セッションでは、週刊BCN編集長の本多和幸が登壇し、「真のDX時代がやってきた~ITベンダーも自らのDXに励みましょう~」をテーマに講演。初日の「DXデイ」を締めくくった。

 新型コロナウイルス禍はあらゆる産業の事業環境に大きな影響を与えたが、マスメディアもその例外ではない。本多編集長はまず、紙媒体を核とする週刊BCNの“コロナ対応”について解説。読者のテレワーク率が上がり、オフィスに紙媒体を届ける形だけでは読者に記事が届かなくなったことを受け、もともと提供してはいたものの補助的なサービスに過ぎなかったデジタル版やWebサイトをテコ入れするとともに、紙とデジタルのハイブリッドで新たなメディアの形を模索し、読者接点の再構築に取り組んでいるとした。さらに、BCN全社のテレワーク推進に先駆け、3月にはフルリモートで完結できる紙面制作体制を整えたことも紹介した。

 2020年の法人向けIT市場の流れも週刊BCNの紙面を中心におさらいし、「3月~4月にかけて多くの企業で大々的なリモートワーク対応が急務になったことを受け、Web会議ツールやモバイルPC、ID認証管理やネットワーク、クラウドセキュリティなどのニーズが大きく膨らんだ」と指摘した。

 5月以降は、20年3月期の決算発表に合わせて、新型コロナ禍の影響を踏まえた21年3月期の通期業績予想がITベンダー各社からも発表され始めた。ここでの大きなトレンドとしては「業種によってはIT投資の急ブレーキや大型案件の遅延・凍結といった向かい風はある。しかし、新型コロナ禍による大きな事業環境の変化を前に、デジタル化やその先のデジタルトランスフォーメーションの重要性が従来以上に広く認識されるようになり、新たなIT需要が加速するとの見方が大勢を占めている。これを獲得できれば、21年3月期の通期業績でも、利益は十分に確保できると見ているITベンダーは多い」とした。

 顧客の“DX支援”という新たに急成長しようとしている需要をつかむという文脈での注目すべき潮流についても言及した。ローコード/ノーコード開発ツールなどを活用したユーザーとの共創型の新たなSIビジネスを模索する動きや、ITベンダー自身が自社のDXを本気で進め、そこで得られた知見やノウハウを顧客のサービスに還元しようとする動きも活発化しているという。

 本多編集長は「DXは新型コロナ禍によって加速しており、ITベンダー側も顧客のビジネスパートナーとしてDXに向けたジャーニーに伴走しようという取り組みが目立ってきている。ただし、顧客もDXの本質に目を向け始めており、提案の価値がよりシビアに問われるようになるのではないか」と結んだ。