2020年6月30日、カシオ計算機はラグドスマートハンディターミナルのフラッグシップ機となる「IT-G600」「IT-G650」を発表した。Android OSを搭載し、どちらの機種にもC-MOSイメージャのスキャナ角度が異なる2モデルがあるので、ユーザーは業務特性に応じて選択が可能だ。背面に設けられたシリアル・USB対応の拡張インターフェースには、さまざまなデバイスを後付けできる。

IT-G600/IT-G650

 「IT-G600/IT-G650はAndroidを採用した。Windows Embedded Compact 7は販売終了が決まっており、お客様ニーズはAndroidへシフトしていく」とカシオ計算機の山根一快・事業戦略本部システムBU PA戦略室室長は語る。この決断の背景には、Androidならではの3rdベンダーのソフトウェアやサービスとGoogleの法人向け端末ソリューション「Android Enterprise」の存在があったという。ちなみに、IT-G600/IT-G650は「Android Enterprise Recommended」認証を取得済みだ。

 フラッグシップ機のIT-G600/IT-G650は、ハードウェア仕様も特徴的だ。両機種の内部構成はほぼ同じだが、4.7インチ画面のIT-G600は数字が入力しやすいテンキーモデル、5.5インチ画面のIT-G650は指操作でさまざまな情報を参照できるフルスクリーンモデルという設定。どちらの機種にも、C-MOSイメージャのスキャナ角度が25度のものと60度の2モデルを用意した。棚に陳列された商品や値札のスキャンに向く25度モデルは主に流通向け、床にある箱をスキャンしやすい60度モデルは主に運輸向けだ。

 さらに、本体背面にはシリアル・USB対応の拡張インターフェースも取り付けた。「フタを外すとセンサーなどを追加できる」と山根室長。ユーザーやシステムインテグレーターによるカスタム開発を想定した仕掛けだが、将来的にはカシオ計算機がオプションを販売する可能性もあるようだ。

 その他の仕様は、スマートフォンとほぼ同等だ。OSはAndroidで、CPUとして8コア・2.2GHzのQualcomm SDA/SDM660を搭載。RAMは4GB、フラッシュROMは64GB。入力用に1300万画素カメラ・NFC・GPSを装備している。通信手段は無線LAN、無線WAN、Bluetoothだ。
 

 プラットフォームがAndroidになっても、「キッティング、セキュリティ、アプリ開発支援などのサービスはAndroidになっても続ける」と語るのは、同社の中嶋健太郎・営業本部システム企画推進部国内推進室リーダー。withC(ソリューションパートナー会・現在約70社加入)パートナーが持つソリューションの中に、OSの違いを吸収するためのツールとしてマルチプラットフォーム対応の開発環境が存在する。そこで、WindowsからAndroid移行や将来的なデバイス選定を視野に入れた顧客に提案している。

 小森主税・事業戦略本部システムBU戦略部長は、「ビジネス現場で便利に使ってもらえるソリューションを、パートナー各社と一緒に提案していきたい」と抱負を語る。作業効率を高めるためだけでなくデジタル変革(DX)にも、IT-G600/IT-G650は役立つことになりそうだ。