大量のデータを高速に読み書きするハイパーコンバージド基盤(HCI)に欠かせないのが、高速なインターフェース。10Gbps超のネットワークを確実に稼働させるには、スイッチにも高性能なものを選ぶ必要がある。HPE製のHCIを導入する企業に最適なのは、同じHPE製のAruba CXスイッチとの組み合わせ。社内に複数のHPE Aruba Specialistを抱えるネットワールドなら、顧客に合ったストレージ基盤を短い期間で構築することができる。

エッジからクラウドまでをつなぐ
製品で企業のデジタル化を支援

 「“EDGE-TO-CLOUD”という標語を掲げて、Hewlett Packard EnterpriseのAruba事業は企業のデジタル化を支援していく」。HPE Aruba事業の最新の戦略について、日本ヒューレット・パッカードのAruba事業統括本部パートナー技術部兼西日本技術部でSE部長を務める天野重敏氏はこう説明する。グローバルシェアNo.2のHPE Arubaが取り扱っているのはL2/L3スイッチ、無線LAN、認証サーバー、ネットワーク監視、クラウドなどの製品やサービス。それらを駆使して端末などのインテリジェントエッジからハイブリッドクラウドまでをつなげていくのが、HPE Arubaの目指すEDGE-TO-CLOUDの姿だ。
 

 2020年には、そのためのプラットフォームとなるAruba Edge Services Platform(ESP)が登場。「このプラットフォームは『AIOps』『ゼロトラストセキュリティ』『ユニファイドインフラストラクチャー』の三つの特徴を備えており、企業はサブスクリプションのような柔軟な形態でAruba製品を所有または利用できるようになる」と天野氏は解説する。
 
日本ヒューレット・パッカード
HPE Aruba事業統括本部 パートナー技術部兼
西日本技術部 SE部長
天野 重敏 氏

 このESPを支えるハードウェアのうちL2/L3スイッチは、FlexFabric/FlexNetwork、Arubaスイッチ、OfficeConnect /Instant Onなどで構成されている。

 各シリーズは適用領域の違いで分けられていて、FlexFabricはレガシーなデータセンター(DC)向け、FlexNetworkはレガシーなキャンパス向け、ArubaスイッチはキャンパスとDC向け、OfficeConnect/Instant ONはスモールビジネス向け、という位置付けだ。Arubaスイッチシリーズには、さらにArubaOSを搭載した「ArubaOSスイッチ」とAruba OS-CXを搭載した「Aruba CXスイッチ」の2モデルが存在する。

 一方、デジタル化に取り組む企業の多くが採用しているストレージ基盤にHCIがある。HCIは大量のデータを高速に読み書きする装置なので、I/Oインターフェースに対する要求も極めてシビア。今後の主流になると見られる10Gbps超ネットワークに対応したスイッチに対する企業のニーズは高い。「HCIを導入する企業の多くは、HCIに最適なネットワーク環境を整えられるスイッチもそろえたいと望んでいる」と語るのは、ネットワールドのSI技術本部インフラソリューション技術部ネットワークソリューション課でシステムエンジニアを務める白井健太朗氏。そこで、ストレージとしてHPE SimpliVityやHPE Nimble Storageを提案する際は、HPE製スイッチとの組み合わせを勧めているという。
 
ネットワールド
SI技術本部 インフラソリューション技術部
ネットワークソリューション課 システムエンジニア
白井 健太朗 氏

HCIとの組み合わせに適するのは
自動化などに対応したAruba CX

 では、HPE製スイッチのどのシリーズがHCIとの組み合わせに適するのか。

 HCIは基本的にはデータセンターに設置される装置なので、候補としてはデータセンター向けのFlexFabricとAruba CXが考えられる。ただ、FlexFabricが「堅実な実績に基づいたシステムを求める企業向け」(天野氏)であるのに対して、自動化や一元管理に対応したAruba CXは「先進的な指向をもつ企業向け」(天野氏)という位置付け。「今後を考えると、まずはAruba CXスイッチをご提案している」と天野氏は指摘する。

 そのAruba CXには、スペックが異なる6機種のラインアップがある。データセンタースイッチに位置付けられているのは主にAruba CX 8400とAruba CX 8300の上位2機種だが、システムの規模や構成によっては下位機種で足りる場合もあるだろう。

 データセンター用のスイッチについて、HPEは「シンプルなアーキテクチャー」「デリバリー速度の加速」「リスクとコストの削減」の三つのポイントを重視している。これを受けて、Aruba CXでは単一アーキテクチャーのハードウェアとマイクロアーキテクチャーのOSで信頼性と柔軟性を確保。短期デリバリーを実現するために、Aruba Fabric Composer(AFC)によるオーケストレーションとAruba Centralによる統合管理を取り入れた。

 オーケストレーションを担当するAFCは、他の装置やソフトウェアとAPIで連携することによってAruba CXのプロビジョニングを適正かつスピーディーに実現している。管理コンソールのユーザーインターフェースはWebUIになっているので、経験が少ない担当者でも運用作業をするのは容易だ。

 また、統合管理ソリューションであるAruba Centralでは、最新のAIOpsを利用したプロアクティブな障害対応をクラウドサービスとして実現している。具体的には、Aruba CXなどのハードウェアから稼働データを収集して管理コンソール上に可視化。さらに、世界中のAruba CXユーザーから集めた稼働データをビッグデータとして処理し、HPEの10年以上の経験値を加えた上で、機械学習などのAI技術を使って知見を得る仕組みだ。障害予兆の検知や原因分析はこの知見を基に行われ、管理担当者が取るべき対策は管理コンソール上に自動的に示される。

 この他、CLIコマンドによるネットワーク管理に慣れている人のために、Aruba CXにはAruba NetEditと呼ばれるCLI型の管理ツールも用意されている。「NetEditを使うと、多数のAruba CXスイッチに同じ設定を一括適用しつつ、IPアドレスなどは個別に設定できる」と天野氏。設定変更前と変更後の状態を比較して、間違いがあったらロールバックできるのもNetEditならではの機能だ。

魅力的な機能を数多く備えていて
提案しやすいAruba CXシリーズ

 大手のITディストリビューターであるネットワールドは、このような特徴を持つAruba CXシリーズのスイッチを販売パートナーやシステムインテグレーター経由でエンドユーザー企業に提供している。すでに触れたように、SimpliVityやNimble Storageをエンドユーザーに提案する際は、Aruba CXシリーズとの組み合わせを勧めるのが同社の基本的な方針だ。

 ネットワールドがAruba CXシリーズの販売に力を入れているのは、スイッチ自体に魅力的な機能が数多く備わっているためでもある。
 

 魅力の第1は、高い冗長性が容易に得られる点にある。「Aruba CXシリーズにはVirtual Switching Extension(VSX)と呼ばれるマルチシェアード型の仮想化機能が備わっていて、独立した二つのコントロールプレーンの設定を自動的に同期してくれる」と説明するのは、ネットワールドのSI技術本部インフラソリューション技術部ネットワークソリューション課でシステムエンジニアを務める對馬徹氏。對馬氏は、この機能があるおかげでAruba CXシリーズではダウンタイムを極めて短くできると指摘する。
 
ネットワールド
SI技術本部 インフラソリューション技術部
ネットワークソリューション課 システムエンジニア
對馬 徹 氏

 第2に、高速なインターフェースを利用できる。「データセンター向けのAruba CXには10G/25G/40G/50G/100Gの各インターフェースを備えた機種が用意されている」と對馬氏。多彩な選択肢から顧客ニーズに合わせたインターフェースを選定できると對馬氏は付け加える。

 第3の魅力として、ハードウェアとしての信頼性とHPEによる手厚いサポートがある。「モノ自体がしっかりとつくられている」(對馬氏)や「日本語ドキュメントは、Aruba Japanのホームページからダウンロードできる。Aruba Support Portal(https://www.arubanetworks.com/ja/support-services/)には、正式な製品ドキュメントが多数用意されている」(白井氏)というのが、ネットワールドの評価。日本ヒューレット・パッカードのHPE Aruba事業統括本部パートナー営業本部の保田光司氏によれば、「ドキュメントの質が高いのは、英文からの機械翻訳ではなく、日本のプリセールスエンジニアがイチからつくっているオリジナルが多いから」とのことである。

 この他、ネットワールドはAruba CXシリーズを「提案しやすい製品」と評価している。その一例として白井氏が挙げるのは、「性能に基づいてラインアップがきれいに整備されているので機種を選びやすく、ライセンスについてもシンプルな体系であるため機種選定がしやすい」こと。ネットワールドはHPEとの間に以前から信頼関係を築いており、困ったことがあったら気軽に相談できる間柄だったことも提案のしやすさに影響しているようだ。

有資格者を核とする専任チームが
最適構成のシステムを短期に構築

 Aruba CXシリーズは、エンドユーザー向けサポートの体制と内容も充実している。

 例えば、さまざまなパターンから選択できるサポートメニューだ。保田氏は、「機器交換だけの標準的なレベルはもちろん、平日だけのオンサイトサービスや24時間365日のオンサイトサービスなど、顧客の要望に合わせて自由に選択できるようにしている」と紹介する。
 
日本ヒューレット・パッカード
HPE Aruba事業統括本部 パートナー営業本部
保田 光司 氏

 また、障害発生時のエンドユーザーからの問い合わせに対して、日本ヒューレット・パッカードは可能な限り日本国内で対応するという方針を取っている。「レベル1、レベル2、レベル3、米国の開発チームという4段階のエスカレーションレベルのうち、レベル3までを国内で実施している」と天野氏。エンドユーザーは不慣れな英語を使わなくて済み、より短期間で回答を得られるわけだ。

 一方、ネットワールドの側でもAruba CXシリーズを国内に広めていくための体制を強化している。

 例えば、ネットワールドにはHPE Aruba Specialistと呼ばれる有資格者が数名いて、提案書作成から導入までのフェーズに専門的な立場で参画する。白井氏は、「HPE Aruba Specialistを核とする数人の専任スタッフが提案から導入までの作業を一貫して担当するので、エンドユーザーは最適な構成のシステムを短時間で立ち上げることができる」と胸を張る。

 また、HPE製HCIとAruba CXスイッチの組み合わせを普及させることを目指し、ネットワールドはキャンペーンも計画中だ。これからHCIを導入しようと考えている企業はネットワールドのWebサイトをウォッチしているといいだろう。

 かつては無線LAN製品のブランドとして知られていたArubaは、現在ではさまざまなネットワーク製品を擁する総合的なネットワーク製品ブランドへと成長している。2020年10月には、米国防総省(DoD)が15万超の有線ポートと3000台の無線LANアクセスポイントから成る有線ネットワークにArubaのスイッチを採用。デジタル変革(DX)を目指してHCIを導入しようと考えている企業にとっても、Arubaはベストの選択となるはずだ。