コロナ禍を機に、企業のクラウドサービス活用が急速に進んでいる。この動きと並行して、SIerやリセラーによるMSP(Managed Service Provider)ビジネスへの参入が相次ぎ、サービスも多種多様化している。中でも、高い注目を集めているのがセキュリティ&バックアップを提供するウェブルートのソリューションだ。マルチテナント対応のSaaS型管理コンソールは、多くの中小企業を顧客に持つSIer、リセラーが容易にMSPに参入することを可能にする。ウェブルートでは、既存のパートナー制度でディストリビューターやリセラーを通じてユーザー企業に年額ライセンスを販売していることに加え、テレワーク需要でクラウド型セキュリティのニーズが高まっていることから新たなパートナーシップも築こうとしている。

広くデータ保護のソリューションを提供

 OpenTextのグループの一員であるウェブルルートは、2005年に日本法人設立以来 Webroot および Carbonite ブランドにて個人向け、中小企業向けセキュリティ・バックアップソリューションをトータルで提供している。

 「ウェブルートの名前をご存知ない方もいるが、世界最大級の脅威情報データベース『Webroot BrightCloud Threat Intelligence』を世界の100社以上のセキュリティ関連パートナーを通じて提供、セキュリティ業界を支える存在だ。また、セキュリティとバックアップという両分野のソリューションを提供している企業はほぼなく、統合的なデータ保護を提供できることが強み」と第1営業部の杉中将彦部長はアピールする。
 
「Webroot BrightCloud Threat Intelligence」プラットフォーム

 Webrootのエンドポイントプロテクションは、定義ファイル更新が不要の次世代型フルクラウド型サービス。脅威インテリジェンスを基にしたふるまい検知、多層防御、さらに万が一、端末が感染した際に感染前の状態に戻す「ジャーナリング&ロックバック機能」などを備える。多くの処理がクラウド上で行われるため、PCのパフォーマンスを阻害しない点もメリットだ。

 また、今年4月には安全なWebアクセスとWebアクセスの可視化を可能にする「DNS Protection」を発表。インバウンドとの脅威を9割削減することが可能という。

 一方、バックアップ製品は「Carbonite Endpoint」と「Carbonite Backup For Microsoft 365」をラインアップする。Carbonite Endpointは、全てのエンドポイントデバイスとそこに存在するデータを包括的に自動でバックアップ、ランサムウェア対策としても有効活用できる。

 「コロナ禍でテレワークを余儀なくされ、データ管理が行き渡っていない企業も多い。会社のPC、個人のPC、クラウドストレージなど、同じファイルが複数に分散しているケースもある。Carbonite Endpointなら保管場所を意識せずデータを保護し、クラウドから統合管理できる。もし、データ同期で上書きされても戻すこともできる」と杉中部長。Carbonite Backup For Microsoft 365は、エージェントを導入せずにMicrosoft 365のデータバックアップ機能を提供する。

MSPビジネスへの参入を容易にするマルチテナント対応管理コンソール

 今、ウェブルートが力を入れているのがMSPビジネスだ。「セキュリティソフトウェア分野においては、MSP提供ベンダーとして他のセキュリティソフトベンダーを抑えてトップクラスに位置している」と杉中部長。ウェブルートが強みとしているのが、フルクラウド型サービスと優れた管理コンソールだ。

 従来のMSPの提供サービスは、大企業向けのサーバー、システム、ネットワークの監視、運用保守サービスが中心だったが、今ではアプリレベルなどへの多様化が進んでいる。そのため、ウェブルートでは特に中小企業を顧客に持つSIerがMSPビジネスに参入しやすいよう、SaaS型管理コンソールを提供している。

 エンドポイントプロテクションが標準で備えるBusiness Management Consoleは、複数のサイト(企業)を一つのコンソールで管理することが可能なマルチテナント対応になっている。
 
マルチテナント対応のBusiness Management Console

 コンソールは、各企業のライセンスを一覧表示するので、運用管理が非常に容易だ。発行されたライセンスと実際に利用されているライセンスを管理したり、端末の感染状況を確認したりできる。また、業務形態や企業サイズにあわせて、豊富なポリシーメニューの中からカスタマイズして設定することもできる。

 「もちろん、この管理コンソールは追加コストなしで利用できる。SIerの方々は、サーバーなどのハードウェアに投資せず、決済の仕組みだけを用意するだけで迅速にMSPビジネスを開始することができる。極端なはなし、1ライセンスからでもエンドユーザーへの販売が可能であり、特に、50ユーザー以下の顧客を持つSIerの方々にとっては、手間がかからず、手離れの良さが魅力になるはず」と杉中部長は力説する。

 これまでサーバーなどの物売りを中心に据えてきたSIerやリセラーにとって、ユーザー企業の急速なクラウドシフトは脅威になっているといえる。旧来のSIビジネスに比べると、MSPビジネスの単価は大きくはないが、ストックが増えていくことで、中長期的にみると収支の予測もしやすくなる。

 杉中部長は、「当社のサービスはコスト競争力も優れる。しかも、パッケージビジネスと違い、いったん顧客にサービス契約してもらうと、その後の継続率はかなり高い。セキュリティからバックアップへとクロスセルも狙える。また、新規にセキュリティサービスに参入する場合も、知見はわれわれがサポートするので、参入のハードルは低い」とアピールする。

 ウェブルートでは、SIer向けのトレーニングも定期的に実施している。サポートチームも日本にあり、日本語のサポートが受けられる。

 「セキュリティ/パックアップで新しい価値を提供していきたい。MSPは当社の事業の柱であり、ビジネス全体では2年後に倍にするのが目標だ」と杉中部長は力を込める。
 
セキュリティ・バックアップサービス提供についてのアンケート
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_webroot/