ヒントワークスの特別講演では、代表の加藤善春氏が「カスタマーサクセス思考で事業が変わる~いま取り組むべきカスタマーサクセスの現実解~」と題して講演した。

ヒントワークス
代表
加藤善春氏

 加藤氏は、「カスタマーサクセスとは、商品を販売して終わりではなく、販売後も顧客へのアプローチを継続して自社の商品やサービスの価値を最大限に引き出し、顧客が期待する成果を上げるまで積極的に関与していくこと」だという。結果として、顧客満足度の向上、解約の低減、ポジティブな口コミやレビュー、アップセル、ブランドロイヤリティの向上や利益につながる。

 グローバルでは2013年ごろからカスタマーサクセスの考え方が注目されはじめ、日本でもようやく盛り上がりつつある。すでに専門部署を設置している企業も見られ、売り上げを10倍にしたケースも出ている。なぜカスタマーサクセスの重要性が高まっているかといえば、市場の成熟で売切型モデルが衰退し、購入後の顧客体験がより重要性を増しているためである。カスタマーサクセス思考で考え、行動する会社とそうではない会社の比較になれば、前者が信頼されて勝ち残る可能性は高い。

 しかし、必要性を感じながらも自社に当てはめるのは困難と考える企業も多い。では、どのように考え、取り組んでいくのがいいのかといえば、「現実解は営業組織の再編。つまり、顧客フロント(営業・SE)の役割を再定義すること」だという。

 日本企業でも、カスタマーサクセス的な概念はあったが、実際の属人的な努力の範疇が大半だった。大切なのは、組織的に対処し、仕組みを作り、活動レベルを成熟させることである。顧客フロントへの要求、期待は、増え続けており、それを整理・分解・分業し、組織的な対策・取り組みが必要不可になる。組織再編のやり方は会社や状況によって異なるため、自社の状況を踏まえて検討しなければならない。

 これまでは顧客の期待(QCD)に応えることで対応できる時代だった。そこには具体的な答えがあったが、「これから先の時代は、QCDを超えて、DX(答えのない企業変革の取り組み)に伴走し、期待を超えていく時代になる。DXがさらに本格化していく中で、顧客のビジネスの成功に焦点をおき、顧客の理解を深め、色眼鏡なしに自社の提供価値の現在地を捉え直すことで、今後の経営、事業展開を考える起点をつくることが重要だ」と強調した。