SMB市場で高いシェアをもつソニックウォール。ここ3年は、年率10%台の業績伸長を続けてきた。同社は、引き続きパートナーを拡大してSMB市場に力を入れるとともに、新たにエンタープライズ市場でのビジネス拡大を目指す。その切り札となるのが、市場が形成されて間もない「次世代ファイアウォール」だ。
会計年度ごとに売上記録を更新
──3月11日に発生した東日本大震災で、ビジネスの先行きの不透明感が増したように思います。御社はいかがでしょうか。
小池 私たちがとくに強く打ち出したのは、社会的責任の下、ビジネスを継続するという強い意志でした。社員全員が非常に力を入れて、3月14日からオフィスは通常通りオープンしました。それができたのは、データセンターを東京、サンノゼとアムステルダムの3か所にもっていたことが要因として挙げられます。クラウドなので、場所を問わずに仕事をこなすことができました。
次いで、即座に当社製品のライセンス延長を発表しました。在宅勤務を必要とする企業が出てくるはずだと考えて、SSL-VPN製品「Secure Remote Access(SRA) 4200」を25台確保、その後15台追加し、無償供給を開始しました。また義援金の供与も、米本社から早々にアナウンスされました。震災後の3週間は、従前に増して活発にビジネスに取り組んだように思います。
──小池代表が就任されて3年余の間、災害もさることながら、リーマン・ショックという経済危機にも見舞われました。これまでの日本市場での状況についてお聞かせください。
小池 数字は申し上げづらいですが、年率約10%、トータルで30%以上の伸びは示してきました。私が就任して以来、会計年度ごとに過去最高の成長を続けてきた3年間でした。
──その成長をけん引したのは?
小池 当社と同じ考え方をもつ、優秀かつ強力なパートナーと緊密な関係を構築できたことが大きな要因だと思います。このおかげで、サポート面で大幅な改善を果たすことができました。基本的にカスタマーサポートで、NECネッツエスアイと協力関係を結び、顧客満足を実現するための目標にチャレンジし続け、達成することができました。応答時間の短縮と、そのサポートに関する技術的なレベルの高さに対して、顧客からは大きな期待が寄せられたのです。
また、リセラーに対する投資の強化が挙げられます。当社のグローバルのトレーニングプログラム「CSSA(Certified SonicWALL Security Administrator)」は、ソニックウォール製品の導入やサポートを行う技術者向けの資格なのですが、トレーニングを日本語化し、オフィスにトレーニングルームを設置して取り組んだ結果、当初目標としていたCSSAの技術者100人の認定を実現しました。優秀なエンジニアをタイムリーに養成することができたことが、継続的な成功の要因だったと思います。引き続き、年間で認定者を100人増やす計画です。今後も大きく増やすことが成功につながると考えています。
──現在、パートナーは何社抱えておられますか。
小池 ディストリビュータが5社、リセラーは20社ほどです。また、アプルーブドパートナーを拡大したいと考えています。できれば300~400社以上、アプルーブドパートナーに関しては従来のチャネルビジネスとして全国的にリクルーティングしていきたいですね。
[次のページ]