独SAPや米オラクルに次ぐ世界有数のERPベンダーである米インフォア・グローバル・ソリューションズ。M&Aを積極的に推し進め、成長してきた。日本では、グローバルプロジェクトの案件が急伸している。事業のキーワードに掲げるのはクラウド、モバイル、ソーシャルネットワーク。日本法人の村上智社長に事業戦略をたずねた。
グローバルプロジェクトの案件が急伸
──御社の2010年度(11年5月期)の決算が締まりました。足元の状況はいかがですか。
村上 リーマン・ショック以降、円高もあって、グローバルプロジェクトの案件が非常に増えています。東日本大震災の影響で、企業の間でプロジェクトが休止したり、予算を凍結したというケースがゼロではありませんでしたが、むしろ経営者の間ではサプライチェーンの維持に対する危機感がとても強くなりました。
普段接している企業経営者は、「危機に柔軟に対応できるようにするためには、グローバルサプライチェーンの構築が不可欠だ」と口を揃えて言いますよ。
──グローバルプロジェクトの案件数はどれくらい伸びていますか。
村上 売上高でみれば18か月で倍増していて、案件ベースでは80%を占めるまでになっています。自動車産業と、それ以外の組み立て製造業からの引き合いが明らかに増えていますね。新規顧客の比率も高まっています。1年前とはずいぶんと状況が違う。
──以前、「ERPの導入には時間がかかりすぎる。当社自身も含めて、ベンダーは提案方法を見直す時期にきている」とおっしゃっていました。実際に、導入期間の短期化は進んでいますか。
村上 つい先日、導入プロジェクトをスタートした自動車部品メーカーは、4か月で「Infor ERP SyteLine」を導入することを目標に掲げています。最終的には日本も含めて、グローバルで5、6か所に「Infor ERP SyteLine」を展開する予定なんです。4か月というのは非常に短い。現段階の一般的な導入期間は、ようやく9か月くらいになったというところですから。
──短期間でERPを導入するためには、どのようなことが必要となってきますか。
村上 まず、当社の製品そのものが機能的にすぐれていて、実績も豊富であるということがべースとなります。そして、それらを導入するコンサルタントはERPだけでなく、業界特有の課題を理解していることがポイントです。
いちばん重要なのは、時間とお金をあまりかけずに、なにがなんでも経営課題を解決するという、ユーザー企業の強い決意と経営者のリーダシップといえるでしょう。
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