グローバル製造業への貢献

村上智 社長

　海外新規展開や事業強化に伴うグローバル案件が非常に増えている。当社は年商500億円以上の中堅規模の製造業に強いが、年商数百億円以下の製造業からの引き合いも多くなっているのが、最近の特徴だ。こうした企業は、拠点ごとの部分最適でのERP導入を見直し、グローバルレベルで生・販・在を可視化しようとしている。

　ERPの導入にあたっては、より早く、より安くというニーズが高まっている。だが、用意される選択肢は限られており、相変わらずベンダーが導入に時間と金をかけ過ぎているのが実情だ。そこで、当社は短期導入パッケージを投入した。日本の製造業の場合は、強みの源泉となっている現場力を生かしながらERPの標準導入を進めることが必要となるだろう。SaaSの提供も開始した。ユーザーには、オンプレミス型のほかホスティング、SaaS型の三つの選択肢を用意したことになる。SaaS型の提供形態は急速に立ち上がるとは考えていない。2011年はホスティングでの提供が増えるだろう。海外の通信環境の問題を考えると、最終的には、ホスティングとオンプレミス型の組み合わせになる可能性が高いとみている。

　既存のパートナーは、これまで大規模案件を中心にERP導入を手がけてきたが、中堅・中小規模の案件拡大に成長の余地を見出せると考えている。中小規模のコンサルティングファーム、地場ベンダーとも協業しながら、新規案件の発掘に努めたい。