NTTデータチャイナは、中国市場での売上高88億元(約1000億円)の達成に向けた取り組みに力を入れる。NTTデータの世界5極体制への移行の一環として、中国でもグループ会社のビジネスの整合性を高める。世界では“One NTT DATA”としてブランドの統一を進める一方、高度経済成長を続ける中国では、グループ会社約15社と、一部出資のビジネスパートナー5社を含めたおよそ20社の合議体をイメージする。88億元は、この約20社で共有する目標として、向こう5年での実現を視野に入れる。中国総代表の神田文男総裁に話を聞いた。
個別最適で市場の変化に即応
──世界5極体制へと移行しつつあるNTTデータグループですが、担当地域である中国の総代表として、どう取り組みますか。
神田 NTTデータグループは、2012年1月からまずは米州地域のグループ会社を統合・再編し、“One NTT DATA”としてスタートしています。EMEA(欧州・中東・アフリカ地域)、APAC(アジア・太平洋地域)、そして私が担当している中国地域は、4月から順次、NTTデータブランドを前面に押し出した体制へとシフトする予定です。移行時には北京と上海で中国政府要人や顧客幹部らを招き、NTTデータブランドをより深く知ってもらうプレゼンテーションやレセプションを行う準備を進めています。
BCNの読者は業界人ばかりなので正直に申し上げますと、実は本格的な海外赴任は初めての経験なのです。山下(徹NTTデータ社長)から「おまえ行け」のひと言で決まりました。2011年6月の旧NTTデータチャイナ総経理として赴き、年末までに旧北京NTTデータと経営統合し、中国全域を担う新生NTTデータチャイナを発足させました。これと並行して中国主要都市に拠点を構える約15社のグループ会社、5社の一部出資しているビジネスパートナーのトップに挨拶回りを行った段階です。外国語もネイティブ並みというわけではなく、赴任当初は秘書もいませんでしたので、電子辞書を持ち歩きながら、取り急いで約20社のトップの方々に顔を覚えてもらうところからのスタート。パートナーのなかには、大連華信計算機技術や上海啓明軟件をはじめとする地場有力SIerも名前を連ねており、営業的な連携によるビジネス拡大が期待できます。
──すでに米州では、NTTデータグループのKeaneやIntelligroupなど主要6社を順次統合し、NTTデータブランドで事業を展開しています。
神田 米州は“One NTT DATA”を率先していますが、中国では段階を経て最適化を図っていきます。米州の最大市場である北米の情報サービス市場は、日本に比べて伸びてはいるものの、年率20~30%の割で伸びている中国ほどではない。成熟市場と成長市場との違いでもあるわけですが、前者は規模のメリットを生かす全体最適型が有効で、後者は個別最適だとしても、好業績を維持できるフェーズだと考えています。
ビジネスパートナーも含めた約20社の売り上げの伸び率は20~30%伸びているのはあたりまえで、なかには年率50~80%増の会社もある。中国情報サービス市場の成長以上に売り上げを増やしているのに、「どうして経営統合しなきゃならないんだ?」という素朴な疑問をもったとしても不思議ではありません。今の日本がまさにそうですが、成熟市場なら統合・再編して規模のメリットを出さないと勝ち残れない。しかし、高度経済成長を続ける市場であるなら、およそ20社がそれぞれ「やれるところまでやってみようじゃないか」というように、個別最適ながらも、変化に即応し、果敢に挑戦していく体制で臨みます。
ただ、そのおよそ20社の社長同士は連絡を密にしようと決めて、これまでの年2回集まって開く会議に加え、毎月電話会議で意見交換し、足並を揃える取り組みを始めました。各社の社長はみんなパワフルで、私はいつも元気をもらっています。
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