米国に本社を置くセキュリティメーカーのマカフィー。2011年にインテルの子会社となり、「組み込み型セキュリティ」をキーワードに事業拡大を図っている。ハイエンド市場に強い同社だが、2013年は、中堅・中小企業(SMB)の市場開拓を本格化。2011年10月にトップに就任したジャン・クロード・ブロイド社長は、国際経営者だ。米国本社に対して、日本市場への投資を重視するよう訴えている。ブロイド社長に、これからのビジネス展開をたずねた。
セキュリティをシリコンに組み込む
──インテルが2010年に発表したマカフィーの買収は、IT業界で大きな話題になりました。2011年3月に、御社がインテルの子会社になってから、およそ1年半。買収は、マカフィーにどのようなインパクトを与えたのか、インテルの技術との融合はどのくらい進んでいるのかについて聞かせてください。 ブロイド インテルからみれば、セキュリティをハードウェアに組み込んで提供するために、マカフィーの技術を取り入れることを買収の狙いとしています。一方、マカフィーにとっても、非常に大きなイベントでした。なぜなら、チップメーカーのインテルと共同で製品を開発し、セキュリティをシリコン(半導体)に組み込んだかたちで提供することによって、新しい市場を広げることができたからです。
この1年半で、マカフィーがどう動いたかについてお話ししましょう。例えば、今年10月に、米国本社はプリンタメーカーのゼロックスと提携しました。この提携によって、ゼロックスの複合機にマカフィーのマルウェア/ウイルス対策を組み込んで、共同で販売します。これは一例ですが、ほかにもハードウェアメーカーとの共同展開に力を入れています。今後は、プリンタやパソコン、携帯電話に加えて、ATMや医療機器など、ネットワーク接続に伴ってセキュリティ対策が必要となるあらゆる端末のメーカーと組みます。
もう一つ、インテルと一緒になったからこそ実現できた例を挙げましょう。これも米国での話ですが、マカフィーは電力事業者のWestinghouse Electric社とパートナーシップを組みました。同社の原子力発電所の新設にあたって、建物の設計段階からマカフィーが絡み、セキュリティを原子力発電所そのものに組み込みます。この事例が示すように、当社は、「ハードウェアの中」にだけでなく、「建物の中」にセキュリティを組み込んで、ユーザーを深いレベルでサイバー攻撃から保護することができます。
この強みを生かして、今後、日本でも米国と同じような事例をつくりたいと思います。
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